2024年のAIアプリ市場は、前年からの急成長をさらに加速させている。Sensor Towerの最新レポートによると、2024年1月から8月の世界AIアプリ収益は前年同期比+51%増加し、年間収益は33億ドルに達する見通しだ。AIアプリの中でも特に、AIチャットボットやAI画像編集アプリが市場をけん引している。

レポートでは、AIアプリのダウンロード数や収益の推移、人気カテゴリー、トップアプリの成績が分析されている。特に、OpenAIの『ChatGPT』は2024年1月から8月までに1億6,000万ダウンロード、2億3,000万ドルの収益を達成し、AIアプリ市場のリーダー的存在となっている。また、AI画像編集アプリ『Remini』もSNSでの人気に後押しされ、ダウンロード数4億5,000万、収益2億ドルを突破するなど、急成長を遂げている。

AIコンパニオン型アプリの成長

2024年のAIアプリ市場では、AIコンパニオン型アプリが若年層ユーザーの支持を集め、注目を浴びている。特に感情型AIアプリの需要が高まり、『Character AI』や『Talkie AI』といったアプリが人気を牽引している。『Character AI』は2024年8月にMAU(月間アクティブユーザー数)が2,200万人を突破し、ダウンロード数は1,900万に達した。また、アメリカ市場では『Talkie AI』のダウンロード数が『Character AI』を上回るなど、競争が激化している。

これらのアプリは、18~34歳の若年層ユーザーに支持されており、特に『Character AI』は18~24歳のユーザーが66%を占めている。AIコンパニオンアプリには性別による利用の違いも見られ、『Character AI』や『Talkie AI』は女性ユーザーの比率が高い一方、『Linky AI』や『HiWaifu』は男性ユーザーに人気がある。

市場の収益動向と今後の展望

AIアプリ市場の主要収益源は北アメリカで、全体の47%を占めている。ダウンロード数では、インドが世界最大のシェアを占めており、総ダウンロード数の21%を占めている。2024年1月から8月にかけて、AI+Chatbotアプリの収益は5億8,000万ドルに達し、2023年の年間収益の1.5倍以上を記録している。市場は今後さらに成熟し、多様なAIアプリが登場する見通しだ。

Sensor Towerは、モバイルアプリ市場のデータ分析で世界的に評価されている企業で、特にアプリの収益や広告パフォーマンスのインサイトに強みを持つ。企業やパブリッシャーにとって、今後のモバイル市場戦略を立てる上で重要な情報源となっている。