これまでZ世代の価値観や生活実態について独自に研究を行ってきた日本インフォメーション株式会社が、デジタルネイティブ世代と呼ばれ流行に敏感な彼らの情報収集・SNS利用がどのように行われているかを紐解いていくために、Y世代、X世代との世代間比較をしながら考察している。

■調査概要
調査地域:日本全国
調査対象:16~69歳 男女
調査実施期間:2024年3月11日~3月12日
調査手法:インターネットリサーチ
サンプルサイズ:有効回収計 1,020サンプル
※分析軸定義:Z世代…16~27歳、Y世代…28~43歳、X世代以上…44~69歳

■調査結果について

情報収集や動画の視聴はスマホに集約

まず持っているデジタル機器を確認したところ、いずれの世代も「スマートフォン」が最も高く、約9割が所持しています。「パソコン」はX世代以上の所持率が6割に対し、Z世代では3割に満たない結果となった。また、Z世代は「テレビ」が21.0%、「DVD/Blu-rayプレイヤー」が8.5%と全体値を大きく下回っています。情報収集や動画・番組の視聴はスマホに集約されている様子がうかがえる。

Z世代はどのようなサイト・アプリを使用しているのか

次に、普段どのようなサイト・アプリを使用しているのかを確認した。まず情報、まとめ・キュレーションサイトでは、「Google(検索)」がいずれの年代でも最も高い結果に。「Yahoo!ニュース」はZ世代で19.0%、Y世代で30.3%という回答に対し、X世代では58.1%と世代間での差が顕著に。ヤフコメが作る世論には、Z世代の意見は反映されにくいことを踏まえる必要がありそう。続いてSNSでは、「LINE」がいずれの世代でも5割を超えていて広い世代で使われている。 2番目に多いのはZ世代が「Instagram」 、Y世代、X世代以上が「X(旧Twitter)」と違いが出ました。Z世代は流行りやトレンドが多く発信されていたり、友達とのコミュニケーションとしても使われるInstagramを支持しているようだ。

続いて、ショッピング通販サイトでは、Z世代、Y世代では「Amazon」が、X世代以上では「楽天」がトップになっている。また、Z世代女性では「SHIEN」が31.2%となっていて、低価格かつ商品数が多く自分好みのものが見つけられる点が支持されているようだ。動画配信サイトでは、「Youtube(通常)」がいずれの年代でも高くなっていて広く普及されいる。一方で「Youtube(ショート)」はZ世代の選択率が高く、特に男性では42.2%でした。動画自体は世代問わず普及した一方で、TikTokやInstagramリールなどの普及もあってか、ショート動画はZ世代が中心のようだ。

さらに、普段使用しているものの中で頻度が高いものを3つ選択してもらい、その結果を上位5位までランキング形式にまとめた。Z世代、Y世代では「Youtube(通常)」、X世代以上では「Google(検索)」が1位でした。Z世代女性は唯一「 Google(検索) 」がランクインされておらず、YoutubeやInstagramなどのSNSを情報を得るための手段として使っているのではと推察される。

自己表現/コミュニケーション/情報収集のバランスが取れているInstagram

Z世代に、各SNSがどのように使われているのかを確認Instagramでは「フォローしているアカウントの投稿を閲覧する」が51.8%で最も高くなっています。「ストーリーズに投稿する」は46.8%となっていて、ストーリーズの投稿に対してDMを送るといったコミュニケーションも活発であると推察する。閲覧だけではなく自己表現やコミュニケーション手段として利用されているバランスのよさが人気の理由の一つかもしれない。Xは「フォローしているアカウントの投稿を閲覧する」と「時間つぶしのため」が47.1%で最も高くなりました。TikTok、YouTubeは「投稿する」の選択率がほかのSNSと比較して大幅に低く、閲覧や時間つぶしが主な目的として使われている。

商品購入時は口コミを重視

続いて、普段日用品関連の商品を購入する際に参考にしている情報を確認しました。Z世代は「家族や友人のおすすめ・口コミ」が最多となっている。対してX世代以上は「店頭POPや商品パッケージ」が最多となっていて世代差が出ている。Z世代の女性は「インフルエンサー」「芸能人・モデル・アーティスト」のおすすめ・口コミといった憧れの対象の存在が多いが、Y世代の女性は「ECサイト購入者」のおすすめ・口コミが多く自分と近い消費者の口コミを参考にしているのが印象的だ。

テレビ離れが進み番組視聴もアプリへスイッチ

続いて、テレビ番組の視聴について、視聴方法とどのように視聴しているかを確認したところ、Z世代では「リアルタイム視聴」と「録画機器に録画して視聴」が全体値より低く、いずれも-10pts以下となっている。その反面「Tverの見逃し配信で視聴」が3世代の中で最も高く、特に女性では39.7%となっていて自分の気になる番組を好きなタイミングで視聴していることがうかがえる。また、「テレビに集中する」が20.7%と全体値より12pts低くなっていて「スマホを使いながら」のながら視聴が多くなっている。「テレビ番組は視聴しない」の選択率も高く、特に男性では29.2%と、全体値より13.6pts高くなっていて若者のテレビ離れが進行している。

情報収集・コミュニケーションもすべて手のひらのなかに

今回ほかの年代との比較を中心にZ世代の情報収集・SNS利用についてみてきましたが、彼らはほかの世代と比べてスマホ画面への依存度が高いことが浮き彫りに。テレビなどの伝統的なメディアは相対的に存在感が低くなっているとともに、彼らの見るスクリーンはスマホの縦型ショートに移行しつつあります。その特性を踏まえたコミュニケーションが企業側としては必要だと考える。

また、Instagramを中心としたSNSの利用は、情報収集から他人との連絡や購買行動まで多岐に渡るため、アプリ滞在時間も利用頻度も高く、押しつけ感のある広告よりもインフルエンサーや芸能人、SNSのおすすめが商品購入のきっかけになります。企業側のZ世代の攻略は、今後よりUGC(User Generated Contents)を施策にうまく取り入れていくことが重要になるのではないだろうか。

引用元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000069.000048646.html