大企業(従業員数1,000名以上)の経営者・役員100名を対象に、大企業のDX進捗に関する実態調査の結果が発表された。

この実態調査は、企業向けにマーケティングやAI、BtoB人材の育成SaaSサービスを提供する株式会社グロースXが行ったもの。

大企業のDX進捗に関する実態調査
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
調査期間:2023年3月27日〜同年3月28日
有効回答:大企業(従業員数1,000名以上)の経営者・役員100名

※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。

「DX」について、64.0%が「レベル4|新たな価値を創造するもの」以上と理解

「Q1.あなたは、DX(デジタル化)に対してどのような認識を持っていますか。」(n=100)と質問したところ、「「DX」について、デジタル化によって業務を効率化・自動化するもの、と理解をしている」が25.0%、「「DX」について、デジタル化によって事業を再構築し、新たな価値を創造するもの、と理解をしている」が43.0%という回答に。

・レベル1|「DX」について、見聞きしたことはない:1.0%
・レベル2|「DX」について、見聞きしたことはあるが、内容は理解していない:7.0%
・レベル3|「DX」について、デジタル化によって業務を効率化・自動化するもの、と理解をしている:25.0%
・レベル4|「DX」について、デジタル化によって事業を再構築し、新たな価値を創造するもの、と理解をしている:43.0%
・レベル5|「DX」について、顧客起点に立ち、デジタル化によってビジネスモデルを抜本的に変革するもの、と理解をしている:21.0%
・あてはまるものはない:1.0%
・答えられない/わからない:2.0%

バックオフィス関連部署におけるDX推進、73.0%が「レベル3|業務の効率化」以下

「Q2.あなたがお勤めの会社では、財務や経理、総務などのバックオフィスといった売上に直接的には関連しない部署におけるDXはどれほど進められていますか。」(n=100)と質問したところ、「DX推進に向け、業務の棚卸しや課題の洗い出し、デジタル技術に関する情報収集などを行っている」が37.0%、「デジタル技術の活用によって業務の効率化ができている」が31.0%という回答となった。

・レベル1|DX推進に向けた取り組みに着手していない:5.0%
・レベル2|DX推進に向け、業務の棚卸しや課題の洗い出し、デジタル技術に関する情報収集などを行っている:37.0%
・レベル3|デジタル技術の活用によって業務の効率化ができている:31.0%
・レベル4|デジタル技術の活用によって新たな価値創造ができている:10.0%
・レベル5|デジタル技術の活用によって業務プロセスやビジネスモデルを抜本的に変革できている:7.0%
・社内のDX推進の取り組みに関して、実態を把握していない:5.0%
・あてはまるものはない:1.0%
・答えられない/わからない:4.0%

売上に直結する部署におけるDX推進、66.0%が「レベル3|業務の効率化」以下と回答

「Q3.あなたがお勤めの会社では、営業やマーケティングといった売上に直結する部署におけるDXはどれほど進められていますか。」(n=100)と質問したところ、「DX推進に向け、業務の棚卸しや課題の洗い出し、デジタル技術に関する情報収集などを行っている」が42.0%、「デジタル技術の活用によって業務の効率化ができている」が14.0%という回答となった。

・レベル1|DX推進に向けた取り組みに着手していない:10.0%
・レベル2|DX推進に向け、業務の棚卸しや課題の洗い出し、デジタル技術に関する情報収集などを行っている:42.0%
・レベル3|デジタル技術の活用によって業務の効率化ができている:14.0%
・レベル4|デジタル技術の活用によって新たな価値創造ができている:13.0%
・レベル5|デジタル技術の活用によって業務プロセスやビジネスモデルを抜本的に変革できている:10.0%
・社内のDX推進の取り組みに関して、実態を把握していない:7.0%
・あてはまるものはない:1.0%
・答えられない/わからない:3.0%

DX推進における課題、「デジタル人材不足」が61.0%、「ビジョンや経営戦略が不明瞭」が26.0%

Q2またはQ3で「DX推進に向けた取り組みに着手していない」「DX推進に向け、業務の棚卸しや課題の洗い出し、デジタル技術に関する情報収集などを行っている」「デジタル技術の活用によって業務の効率化ができている」と回答した方に、「Q4.あなたがお勤めの会社でDXを進めるにあたって、どのような課題がありますか。(複数回答)」(n=77)と質問したところ、「社内のデジタル人材が不足している」が61.0%、「DXに向けたビジョンや経営戦略が不明瞭である」が26.0%、「経営層のデジタル・ITに関する知識が不足している」が19.5%という回答となった。

・社内のデジタル人材が不足している:61.0%
・DXに向けたビジョンや経営戦略が不明瞭である:26.0%
・経営層のデジタル・ITに関する知識が不足している:19.5%
・予算が不足している:13.0%
・取引先とのやりとりに支障が出る:9.1%
・時間や工数が不足している:9.1%
・その他:1.3%
・特にない:7.8%
・わからない/答えられない:0.0%

「社員のITスキルそのもの」や「関係者全員のやる気と当事者意識」などにも課題を実感

Q4で「特にない」「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q5.Q4で回答した以外に、DXを進めるにあたっての課題があれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=71)と質問したところ、「社員のITスキルそのもの」や「関係者全員のやる気と当事者意識」など57の回答を得ることができた。

<自由回答・一部抜粋>
・64歳:専門のコンサルタントが必要。
・65歳:テクノロジー人材は、スキルを身につけると、転職していく。
・55歳:社員のITスキルそのものに課題がある。
・64歳:関係者全員のやる気と当事者意識。
・76歳:セキュリティとの関連。
・59歳:社内ではDXがそれなりに浸透しているが、社会一般ではそれほど浸透しておらず、そのギャップに苦慮している。
・60歳:デジタル人材の不足を既存の契約ベンダーに頼っているため、業務内製化や人材育成が進まない。

売上に直結する部署でDXを推進する人材、55.0%が「いない」と回答

「Q6.あなたがお勤めの会社には、営業やマーケティングといった売上に直結する部署で、DXを推進する人材はいますか。」(n=100)と質問したところ、「あまりいない」が39.0%、「全くいない」が16.0%という回答となった。

・ややいる:34.0%
・あまりいない:39.0%
・全くいない:16.0%
・わからない/答えられない:6.0%

DXの認識レベルに関する質問に対しては、64.0%が「レベル4|デジタル化によって事業を再構築し、新たな価値を創造するもの」以上と理解しているようですが、一方でバックオフィスと売り上げに直結する部署について、それぞれDX推進状況に関して聞いたところ、バックオフィスは「レベル3|業務の効率化」以下が73.0%、売上に直結する部署は「レベル3|業務の効率化」以下が66.0%となり、まだ十分にDXを推進できていない実態が明らかに。

次に、DX推進における課題について尋ねたところ、「デジタル人材不足」を嘆く声が多い他、DXに向けた経営戦略が不明瞭であることなどが挙がった。特に、売り上げに直結する部署においては、55.0%が「DXを推進する人材がいない」と回答しており、ITリテラシーがあり、かつ現業を変革できる人材が不足していることが分かった。

政府からの呼びかけもあり、多岐にわたる業種や分野でDX推進の認知が進む中、同じ企業の中でも部署によってDX推進度合いに格差が出てきている実態もある。経営者としても、人材を確保するために、社内人材の育成に特に力を入れてはいるものの、実際に実務に落とし込むところまで実行力がある人材を活用できてはいないようだ。DXによるバックオフィス関連部署の業務効率化も勿論必要ですが、売上に直結する部署での事業の再構築、新しい価値の創造など外部の専門家やアドバイスを取り入れながら、DX推進を図ることが事業や売上を伸ばすカギになるのではないだろうか。

引用元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000030.000063830.html