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今回はその第五弾として、「ソレイユ株式会社」で活躍し、各チームのメンターとして制作の第一線で働くベテランクリエイターの方にインタビューをしました。

ソレイユ株式会社とは..
“いつも心に太陽を!”という理念のもと、アクションゲーム、オリジナルIPゲームの開発を行う。

ソレイユ株式会社 社員

久保 匡史(くぼ・まさふみ)
アートディレクターおよびアートメンター
テクモ株式会社(現コーエーテクモホールディングス)に入社後、多数の部署でコンシューマゲームの開発に携わる。『蒼魔灯』、『アルゴスの戦士』、『モンスターファーム』シリーズ、『DEAD OR ALIVE 4』、『NINJA GAIDEN 2』などに関わった後、ソレイユ株式会社で『Devil’s Third』を開発後、『NARUTO TO BORUTO シノビストライカー』やその他案件のアートディレクターとして従事。

新卒入社者について

面接で見ているポイント

その人の向上心や行動力などです。常に自分のスキルアップを考えていたり、新しいツールや技術に興味がある人は周囲の人間にも刺激になります。

また、「いつかやってみたい」という人よりは「興味があるので既に勉強中です」というような行動力のある人には魅力を感じます。

メンターとして気をつけていること

会社で決められたことばかりをやってもらうのではなく、本人の希望なども聞き入れ、強みが活かせるようなポジションで活躍してもらっています。

スタッフがやりやすいスタイルで仕事ができるように配慮しています。

ご経験について

モチベーション維持の方法

オンオフの切り替えです。オフの時は気分転換の遊びや趣味に徹し、オンなら仕事に徹する感じです。

中には辛い仕事もありますが、真剣に仕事をして身につけたスキルは今後もずっと自分の宝になるので、自身のスキル向上の為にも頑張れます。

ゲーム業界を目指したキッカケ

やはりゲームが好きだった事です。小学生くらいからゲームは大好きで、同時に絵を描くことにも興味がありました。

学生の頃はゲームの仕事と絵の仕事というものがあまり結びつかず、将来は絵の仕事にするかどうかで悩んでいる時期もありました。

その後ゲーム業界も進化して行き、丁度3Dのゲームが流行りだした頃からゲームにおけるアートの表現の幅の広さに驚かされました。

イラストで描いたものが3Dモデルとなりゲーム内で自由に動き回る様を見て「これだ!」と思ったのがきっかけです。自分の好きなことが詰まっている仕事だなと思いました。

会社のこと

会社紹介

昔から一緒に開発していたメンバーも多く、割と中高年の集まる職場でしたが、最近は若い人も増えてきました。

アートチームはゲームやアニメ、イラストなどが好きな人達が集まっています。自分の好きなことを仕事にしているのでみんな楽しそうにやっていると思います。

会社の強み

少し癖のある尖ったアクションゲームを作れる事です。逆に言うとアクションゲームばかり作ってきたので、尖っています(笑)また、チームメンバー間の距離が近いので、自分の意見が比較的上流にも伝わりやすい事も魅力だと思います。

例えば「こんなツール使ってみたい」などの意見があったら前向きに検討してくれます。もちろんきちんとプレゼンする能力は必要ですが…

学生に期待すること(活躍している人材とは)

向上心を持って欲しいです。

特にこの業界は日進月歩で新しい技術が出てくるので、向上心が無いとすぐに置いていかれてしまいます。「向上心」などと言うと堅苦しいですが、新しい技術を使えばもっと効率よく幅広い表現ができるようになるので、自身が好きな仕事の幅が広がると思えれば良いかなと思います。

育成、研修制度など

先輩スタッフの下で最初は簡単なアセット制作から始め、徐々に難しいアセット制作を「実践」で学んでもらっています。スケジュールの感覚や他チームとの関わり方など、実践じゃないと学べないものもあるので、一番良い研修だと思っています。

学生へのメッセージ

ゲームやイラスト制作に興味がある人はとても多く、応募者もかなりの数です。その中で、他の人よりもそれが好きであるこのアピールはとても大事だと思います。

応募者の中には学校で制作した課題をそのまま数点だけポートフォリオにしている人も多く見受けられます。

しかし、私が採用する人達は学校の課題だけでなく個人的に作った作品の数の方が多いです。これでもかと言わんばかりに熱意がこもったものばかりで、「この人は本当にものづくりが好きなんだな~」と感じさせてくれます。

そして何より選考している側も見ていてとても楽しいです。ゲーム業界はエンターテイメントの業界なので、「楽しさを相手に伝える事」は重要です。自分の作品にもそれを心がけてみてください。

ソレイユ株式会社 社員

小澤宏昭(おざわ・ひろあき)
プログラマーおよびメンター
新卒でテクモ株式会社に入社し、TeamNINJAで、『DEAD OR ALIVE』シリーズ、『NINJA GAIDEN』シリーズの開発に関わる。
その後独立して『Devil’s Third』の開発、ソレイユ株式会社として『NARUTO TO BORUTOシノビストライカー』の開発に従事。

新卒入社者について

面接で見ているポイント

技術職なので、大前提として基礎的な技術力の部分は当然ポイントとなりますが、「この会社に入りたい」「ゲームを作りたい」といった情熱は重要だと考えています。

「成長力」「伸びしろ」というポイントも非常に重要視しているのですが、「努力は夢中に勝てない」という言葉もあるように、「情熱」を持っている人は自然と成長していくと思いますので、やはり「情熱」は大切だと思います。

新入社員、面接者が陥りがちなこと

新入社員には悪い報告程、早く伝えるように最初に言いますね。ダメな時にダメってちゃんと言えるようにして欲しいですね。仕事が予定に間に合わないような時に、「間に合いそうにない」なら、サポートやヘルプの人員を割く等が考えられますが、「間に合いませんでした」では、手の打ちようがありませんから。

悪い報告をする事は怖いとは思いますが、報告ができないマイナスよりは、報告した方が良い事は間違いないと思います。会社や人にもよると思いますが、少なくとも私は「ちゃんと報告ができる人」という評価をしますね。

面接では似たような状況として、長時間フリーズして(固まって無言のままになって)しまうのは良くないですね。上記で例えると「悪い状況をちゃんと報告できない」ことになりますから。

緊張はして当然ですが、質問に対する回答が分からないときは「分かりません」「忘れてしまいました」とちゃんと答えた方が結果としては良いと思います。

まぁ当然、質問に対して「分かりません」って即答するのは論外でしょうから、ちょっと考えるフリは必要でしょうが(笑)。

ご経験について

今だから言える失敗談

かなり前に開発したゲームですが、「オプションメニュー」の表示を担当した際に、「SYSTEM」という文字を「SYSYTEM」と打ち込んでしまって、そのまま製品になってしまった事があります。

マスター承認後も若干バグチェックが継続されていて、そのタイミングでバグ報告は上がってきていたのですが、今と違いネットでパッチ配信という時代では無いですし、リマスターはしないという判断になりました。

バグチェックの担当からは申し訳なさそうに報告された事を覚えています。正直聞いた瞬間「え?なんで事前のゲーム内文字チェックした際に気づかなかったの?」とは思いましたが(口にはしませんでしたよ)、そもそも文字データ含めて自分でプログラム実装した場所なので、完全に逆ギレですよね。

このゲームは攻略本が発売されたのですが、オプションメニューのページの「SYSTEM」と書かれている横の画面写真「SYSYTEM』なので、顔から火がでる思いでした。

開発者の中には、バグが報告されると「なんだよ」となる方もいると思いますが、この失敗以降は「見つけてもらって問題にならないで済んだ」「バグを見つけてくれてありがとう」と思えるようになり、バグ報告してくれた方にも素直に「ありがとう」と言えるようになりました。

ゲーム業界を目指したキッカケ

キッカケは、やはり子供のころにゲームをプレイした経験ですね。

子供の頃にはまだ設立されていない為、残念ながら弊社のゲームでは無いので具体的なタイトル名は伏せますが(笑)、友達の家で数人で遊んだゲームの経験で、ゲームって自分が楽しいだけじゃ無くて「みんなを笑顔にできるんだ」と思い、ゲーム開発者ってすごいと憧れました。

会社のこと

会社紹介

詳しくは弊社HPをご覧ください(笑)これは、言っていいのかな?(笑)実はフロアはパーティション等が無くて、机が並んでいます。

そこで、結構活発にプランナーだけでなく、プログラマーやアートも交えて、開発中のゲームの仕様についての話しや、隣同士でプログラミングの相談等が行われています。

席を立ってモニターの上から、向かいの席の人と会話している事も良くあります。間違い無く、静かなイメージでは無いですね。

会社の強み

ハイエンド機でアクションゲームを作れます。言葉の壁が存在せず世界で戦える「アクションゲーム」を開発できるという軸足を持っているからこそ、そこから様々な挑戦が可能だと考えています。また、メンバーの中核にベテラン開発者が控えている点も強みだと思います。

アーケードゲームで対戦格闘を作成していたベテランも居ますので、会社の歴史以上に、様々なゲームに対するノウハウを持っている集団だと思います。

ベテランの古臭い考えと思われるかも知れませんが、ちょっと単純化した例をあげれば、F2P(フリーツープレイ)のゲームって、アーケードゲームに近い所があるんです。フルプライスのゲームだと、例えば操作が特殊だったりしても、先行してお金を払っているので、5分10分でやめたりしませんよね?元を取ろうというか…(笑)。

でも、F2Pのゲームはちょっとプレイしてダメなら、すぐやめられてしまいます。これって、アーケードも同じなんです。100円でそれっきり。そういった知識をノウハウとして持つベテランが存在して、中堅・若手を背後から支えられる点も強みだと思っています。

学生に期待すること(活躍している人材とは)

新人の間は積極的に色々やってみて欲しいです。直接の業務、この場合プログラマーなのでプログラミング以外の事についても、経験して欲しいです。

例えば、プログラマーの新入社員には話したりするのですが、ゲームの動作確認などは、こういった部分にバグが出やすいといった事が理解でき、とてもプログラミングの勉強になります。

まぁこういった直接的な関連性は分かりやすいですが、それだけで無く、色々な経験を「武器」にできた人が「活躍している人材」となっている事が多いと感じます。

学生時代にしかできない事もありますから、今も色々と経験して欲しいですね。思いっきり楽しむっていう経験も非常に大切だと思います。

様々な経験をして、その中で自分の得意な分野を理解してそれを追求して武器にする人、苦手な分野を減らして武器にする人と、経験の中から何を感じて何を選択するか、そこは千差万別だと思いますが、まずは積極的に経験値を積んで欲しいです。

育成、研修制度など

まだ小さな会社ですので「On The Job Training」が基本的なシステムです。

ただ、隣の席には先輩プログラマーが居て、実際にゲームを作っていて、相談できるという、ある意味恵まれた環境です。当然ですが、いきなりゲームの中核部分を担当させたりはしませんよ(笑)。

きちんと、ある機能の一部分の実装や、動作確認等、いろいろお願いして経験してもらい、成果を見ながら進めていきます。また、社外でのカンファレンスへの参加や、頻繁にというわけではないのですが社内勉強会を開催したりといったことは行っています。

学生へのメッセージ

これは内定者等によく伝えている事ですが、社会に出ると纏まったお休みを取るのが難しくなります。

なんでも良いので、長い休みならではの経験をしてください。今年は難しいですが、卒業旅行といったものも良いでしょう。ずっとゲームをしてクリアするのでも良いです。前から興味があったことにチャレンジしてみても良いと思います。

活躍している人材の話しにも被りますが、一日二日の話しでは無く、長い休みならではの経験をしてください。

また、今年は我々面接をする側も苦労しているくらいですから、就職活動をする側は、もっと大変な思いをしている事と思います。

ただ折角なのですから、こういった事も経験なので、色々経験してみてください。間違い無く、去年、一昨年の方たちとは違う特別な経験をしていると思います。前向きな気持ちで頑張って下さい。

そして、あなた方の「情熱」を傾けられる会社に巡り合えることを祈願致します。

弊社もこれから、もっともっと面白いゲームを作って、皆さんの情熱を傾けてもらえるような会社になりたいと思います。

ソレイユ株式会社 社員

江原 克則(えはら・かつのり)
ディレクターおよびゲームデザインのメンター
新卒でテクモ株式会社に入社し、TeamNINJAで『DEAD OR ALIVE』シリーズ、『NINJA GAIDEN』シリーズに関わる。
独立後『Devil’s Third』、『NARUTO TO BORUTO シノビストライカー』を開発。ゲームデザイン全般に携わり、リードやディレクションを経験。その中でも特にインゲーム(ゲームシステムやルール)を構築した経験多数。

新卒入社者について

面接で見ているポイント

ゲームデザイナーは、プログラマーやアーティストと違って最初から技術的に求められるものがある訳ではなく、特に新卒の頃に「企画書・仕様書が書けるか」や「ゲームエンジンが扱えるか」、「プログラミングができるか」といったことがいきなり求められることはありません。

むしろ必要とされるのは「ゲームを作りたいというモチベーション」と、それを表現する「コミュニケーション能力」、それらを裏付ける「経験と知識」といったものです。

概ね、ゲームデザイナーを目指す方はゲームが好きで、ゲームを作りたいという強い思いがあります。その思いをどれだけ具体的なビジョンとして持っているか、それを面接の場で私達にぶつけてほしいです。

経験と知識というのは、もちろんゲームをどれくらい多くプレイしているかということではありますが、ゲーム以外でも開発に活かせるような知識や経験をどれだけ持っているかということも大事で、それらは自分の作りたいゲームを実現する際にも非常に重要です。

新入社員に期待していること

ソレイユという私たちの会社は、最近社員もだいぶ増えて来ましたが、まだまだ大きな会社ではありません。新入社員だからといって大人しくしている必要はありません。どんどん積極的に良いアイディアを提案して、関わっているゲームを良くしていってほしいです。

ゲームデザイナーにとって、アウトプットがいかにあるかという点は最も重要な資質の一つです!

ご経験について

モチベーション維持の方法

ゲーム開発に対してどんなことでも楽しさと喜びを見いだせるか、です。ゲーム開発の一歩一歩のステップに達成感を感じられるかで、モチベーションは大きく変わってくると思います。

自分は過去ほぼ全ての仕事においてアクションゲームに関わってきていて、例えばキャラクターのアクションの1つが実装されて、それをコントローラーで操作できるようになっただけでも小さな喜びを感じられます。

ゲーム業界を目指したキッカケ

おそらくいまゲーム業界を目指している学生の方とそんなに変わらないと思います。最初にお話した通り、自分はとにかくゲームが好きで好きで、日々ゲームばっかりやっていました。

特に学生時代はゲームセンターでアルバイトしていて、閉店後は毎日ずっとゲームをしていました(笑)そんな“好きなコト”を、人生の大半を費やすであろう仕事にできたら幸せかな、と思ったのが動機ですね。

会社のこと

学生に期待すること(活躍している人材とは)

ソレイユでは、社員みんながゲーム好きで、ゲーム開発に対する熱い気持ちを持っていると思っています。新入社員でもすぐにプロジェクトにアサインされて実作業へ移ることになりますので、負けないよう熱い気持ちをぶつけてください!

その中でも特にゲームデザイナーにとって大事なのは、自分の発言・提案などのアウトプットにおける説得力です。説得力があると周りからの評価も上がり、任される職域もどんどん広がっていきます。

特に私達はアクションゲームに対しての自信と信頼がありますので、アクションゲームへの熱い気持ちや経験・知識を持っていると、活躍できるチャンスもより大きくなると思い
ます!

育成、研修制度など

ゲームデザインセクションでは、月に一度実務パート(アクション、レベルデザイン、AI、アウトゲーム、シナリオ、運営)ごとにスキルディスカッションという情報共有会を行っています。

ここでは各プロジェクトの進捗や懸念点の情報共有、質疑応答、またテーマに沿ったディスカッションなどを行い、スタッフ間でのノウハウの共有を行っています。

参加者は基本的にそのパートで実務を担当している人たちですが、それ以外も希望があれば参加が認められています。

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