ゲーム業界でシナリオライターとして働くみなさんは、「物語を作りたい!」「ゲームが好きだ!」「ライターとして食べていきたい!」など、さまざまなきっかけで、ゲームのシナリオライターとして働き始めたのではないかと思います。しかし、その先のキャリアはどんなものがあるのでしょうか。
この記事では、ゲーム業界でシナリオライターとして働く方に、どのようなキャリアパスがあるのかをご紹介します。ゲームシナリオライターといってもキャリアパスはさまざま。自分の得意分野を広げながら、よりよいキャリアを築いていきましょう。
- キャリアを考えるうえでのポイントって?
- ゲームシナリオライターのキャリアパス
- フリーランスになる
- ゲーム会社でディレクターになる
- ゲーム会社でシナリオライターになる
- ゲーム会社でプランナーになる
- フリーランスのディレクターになる
- ゲーム会社で演出ディレクターになる
- ゲーム会社でシナリオ部門の統括マネージャーになる
- まとめ
- ゲームシナリオライターとしてのキャリアで悩んでいる方へ
キャリアを考えるうえでのポイントって?
ゲームシナリオライターのキャリアを考えるうえで、大きく2つのポイントがあります。
1)業務形態について(フリーランス、会社員など)
2)業務内容について(ライティング、ディレクション、マネジメント)
1.1 業務形態について
フリーランス:個人事業主として活動する
会社やプロジェクトに縛られず活動することができます。さまざまな案件に携わることができ、個人の名前で実績を積むことができる反面、案件獲得のためには個人の繋がりや実績が必須となります。また安定した収入を得るためには、常に制作と並行して営業活動行う必要があります。
会社員:ゲーム会社に属する
フリーランスに比べると、収入が安定して働くことができます。また、環境によってはシナリオライター以外の職種の方との繋がりも作りやすいでしょう。ただし、たとえば好きな作品を開発している会社に所属していたとしても、自分が携わりたい作品や業務を担当することができるとは限りません。また、長期間1つの案件だけを担当することもあるでしょう。
1.2 業務内容について
ライティング中心:シナリオライターとして執筆業務を中心とする
執筆中心となり手を動かし続けることができるため、文章を書き続けたい人が向いているでしょう。クオリティや執筆速度をあげていくことで収入を増やすことが可能ですが、一方でクオリティや執筆速度を上げるには限界があるため、一定以上の収入を越えることは難しいでしょう。更なる収入アップの為には作業者から名の通った一流クリエイターへの限界突破が求められます。
ディレクション中心:世界観設定や各種監修など作品の根幹を担っていく
作品の上流工程に関わることができ、クオリティコントロールなどある程度の裁量をもつことが可能です。物語をゼロから作り出したい人などが向いているでしょう。ライティング中心よりも裁量が大きくなるため収入アップが見込めますが、監修業務や折衝業務などが増えるためライターとして手を動かせなくなる可能性が高くなります。
マネジメント:作品作り以外の部分からシナリオライターをマネジメントしていく
自分のシナリオライターとしての経験を生かして、シナリオライターのチームビルディングやキャリアを考えることができます。このポジションになると、制作の現場からは離れてしまう可能性が高く、制作に直接携われない場合もあります。
ゲームシナリオライターのキャリアパス
この2つの観点を踏まえて、代表的な7つのキャリアパス具体例をみてみましょう。
フリーランスになる
ゲームシナリオライターとしてフリーランスで活動するパターンです。この働き方を目指す人も多いでしょう。会社やプロジェクトに縛られることなく、幅広く案件に携わることができます。さまざまな案件に携わることは、ライティングのスキルアップにも繋がるでしょう。また、ゲームシナリオライティングで培ったスキルで、ゲーム以外の分野で執筆することもできるかもしれません。
一方で、ライティングのみで収入を上げていくためには、ひたすらに物量をこなすか、クオリティを上げていく必要があります。また、安定した収入を得るためには常に営業などで案件を獲得する必要があります。そのため、ゲームシナリオライターとしてフリーランスで活動するには業界での人脈や実績が非常に重要になります。
ゲーム会社でディレクターになる
ゲーム会社でシナリオライターからシナリオディレクターへとキャリアアップするパターンです。自分の思い描く物語を形にしたい人に特に向いているキャリアパスでしょう。シナリオディレクターは世界観設定など物語の根幹を担い、物語を作るうえで裁量を持つことができる職種になるため収入アップにも繋がりやすいでしょう。
一方で、監修作業などライティング以外の業務が増え、シナリオライターの時より自身で執筆する機会は少なくなるでしょう。自身で執筆するより、自分の考えた物語をゲームにしたいという方におすすめです。
ゲーム会社でシナリオライターになる
とにかく執筆を続けたい、執筆に集中したいという方におすすめの働き方です。0から設定をつくる機会はかなり少ないかもしれませんが、既にある世界観の中でより物語が面白くなるよう執筆することもスキルアップに繋がります。また、会社に所属することでフリーランスと比べて仕事も収入も安定し、執筆に専念することができます。
一方で、ある程度レギュレーションの決まっている中での執筆が必要とされる場面も多く、そういった場合はオリジナリティを出した執筆がしづらいかもしれません。また、シナリオライターとして執筆のみの業務を続けるとなると収入を大幅に上げることは難しく、外注管理など執筆以外のスキルを身に着ける必要があるでしょう。
ゲーム会社でプランナーになる
シナリオライターとしてのスキルを活かしながらプランナーに転身するというキャリアパスで、ゲーム制作により深くかかわっていきたい方におすすめです。プランナーに転身することで、シナリオライティングのみならず、ゲーム内のイベント企画やストーリ企画に携わることができます。ライティング以外のスキルも磨かれ、ゲーム制作において業務の幅が広がります。
一方で、ライティング以外の業務も担当するため、「ひたすらに書きたい」という方には、あまり向かないかもしれません。
フリーランスのディレクターになる
ゲーム業界内での人脈や多くの実績をお持ちの方に多い働き方です。会社やプロジェクトに捉われず、さまざまな案件の上流から入っていくことができます。ただし、このポジションを目指すには、自分の名前で仕事が取れるほどの実績が必要になります。シナリオライターとしてフリーランスで活動するよりも、さらにハードルは高くなります。
ゲーム会社で演出ディレクターになる
シナリオライティングよりも、物語やキャラクターの魅せ方に興味がある方におすすめです。演出ディレクターは、物語やキャラクターをより魅力的にユーザーに届けるため、ADVパートなどの映像演出を考えるポジションです。スクリプターの演出チェックやキャラクター動きや言い回しの演出チェックを行います。シナリオライターとして培った、物語を読み込んでキャラクターを把握する能力を生かすことができるでしょう。
ただし、このポジションになると、ライティングスキルを生かす機会はあまりないかもしれません。また、映像やゲームの知識が求められることもあるため、小説など文字作品以外のインプットも必要になるでしょう。
ゲーム会社でシナリオ部門の統括マネージャーになる
プレイヤーとしては現場から離れ、ゲーム会社でシナリオライターをマネジメントする統括マネージャーになるというキャリアパスです。メンバーマネジメントなどに興味のある方に向いているでしょう。シナリオライター出身者がマネジメントすることで、ライターの立場に立ったマネジメントが可能になります。
また、よりよいライターを採用することでシナリオチームを強化することができ、そういった角度から作品を支えることができます。
まとめ
7つの例を挙げましたが、あくまでゲームシナリオライターのキャリアパスの一部です。ひとくちに「ゲームシナリオライター」といってもキャリアパスはさまざまです。
今、ゲームシナリオライターとして働いているなかで、自分の得意な分野を見つけ、また自分の向きたい方向を把握することで、自分に合ったキャリアを築いていきましょう。
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