ウェブアナリスト検定やGoogle広告認定、Eコマース検定など、ウェブマーケティング関連の仕事に役立つ資格にはさまざまなものがありますが、中でも注目を集めているのが「ウェブ解析士」です。
ウェブ解析士は高度な分析力、マネジメントスキルを駆使して、ウェブマーケティングの視点から事業目標の達成に向けた経営改善を提案する、いわば “コンサルタント”。
ここでは、ウェブ解析士として仕事をするために必要な資格やスキルについて解説。あわせて、ウェブディレクターのステップアップとしてウェブ解析士を目指す際に取得すべき資格やその難易度、受験講座などをご紹介します。
- ウェブ解析士とは?
- ウェブ解析士が提案できる施策
- ウェブ解析士のメリット・デメリット
- ウェブ解析士になるためには?
- ウェブ解析士資格取得までの流れ
- ウェブ解析士の難易度は?学習方法と試験対策
- データを扱う案件紹介とご相談受付
ウェブ解析士とは?
今、多くの企業でとりわけ「ウェブ解析士」という資格が重視されるのは、単にアクセス解析に長けた人材だからではありません。ウェブサイトから得られるさまざまなデータを活用することで、事業の現状や課題を分析し、目標達成のためにはどういった経営改善が必要なのか明確な指針を与えるキーパーソンだからです。
英語でも「Web Analytics Consultant」 というように、ウェブ解析士は企業の中でコンサルタントのような役割を担います。つまり技能職という枠を超えた存在といえるでしょう。そうした総合的なスキルを正しく評価する仕組みが、一般社団法人ウェブ解析士協会(WACA)の認定資格「ウェブ解析士」です。
ウェブ解析士の資格を取得すべきなのは、以下のような方です。
- 商品やサービスが売れる仕組みを作らなければならないウェブマーケティング担当者
- 新規サイトの立ち上げやブランディングを指揮統括するウェブディレクター
- データに基づいて適切にサイト改善を図りたいクリエイティブ職(ウェブデザイナー・コーダー)
- ウェブ解析を経営や財務に生かしたい管理職・マネジャー
- ウェブマーケティングの知識とスキルを磨いてステップアップを図りたい新社会人
ウェブ解析士が提案できる施策
ウェブ解析士とは、単なるアクセス解析の専門家ではありません。下記のように、データに基づき、戦略立案、KPI設定、改善提案、改善検証や効果測定を一手に担うコンサルティング職といえます。
現状把握
得られたアクセス解析データから集客や流入、競合の状況といったサイトの現状を把握し、ウェブマーケティングや事業の課題を掘り起こす。
サイト改善
現状把握で明らかになったサイトの課題について、優先順位に基づいて改善を行う。
ウェブマーケティング計画の立案
目標の収益を達成するため、ウェブマーケティングの視点で戦略を立案する。
KPIの設計・報告
部署ごと、ポストごと(経営者・管理職)にKPI=重要業績指標を設定し、目標に対してどの程度進捗しているのかを報告する。
経営戦略へのフィードバック
ウェブ戦略を自社の経営戦略と連動させ、目標達成を加速する。
ファシリテーション
ウェブマーケティングに基づいた改善を社内に浸透させ、組織全体で成果を上げていくために自らが各部署との調整役となる。
このように、企業の中でウェブ解析士が果たす役割は非常に大きく、多岐にわたります。
ウェブ解析士にはアクセス解析に関する知識やスキルだけでなく、戦略を立案するノウハウと提案力、経営全体を把握する総合的な視点や組織をまとめ上げる調整力も求められます。
ウェブ解析士のメリット・デメリット
続いて、ウェブ解析士として働くメリットとデメリットについて見ていきましょう。
メリット1:ウェブマーケティングの基礎知識が身につく
アクセス解析の手法を駆使できるようになるだけでなく、ウェブマーケティングに関する総合的な知識や視点を養えます。さらにKPIを意識した目標管理や計画立案を行えるようになるため、経営的な視点からより効果的なウェブマーケティングを実践できるでしょう。
メリット2:具体性のあるウェブ戦略を提案できる
ウェブ解析士の軸足ともいえる仕事は、ウェブ解析ツールを用いたレポートの作成です。数値というエビデンスをもとに課題を洗い出し、より具体性のあるウェブ戦略や改善計画を立案します。その過程で単なる知識にとどまらない生きたスキル=実務能力も身につくでしょう。
メリット3:人脈が広がる
ファシリテーターとして、経営を推進する上層部や各部署の責任者、現場の担当者など社内のさまざまなキーパーソンと関わることで人脈を広げられます。
メリット4:マスター取得で経済的余裕が生まれる
ウェブ解析士には、「上級ウェブ解析士」「ウェブ解析士マスター」という上位資格があります。ウェブ解析士として実績を積みながらこうした資格を取得していけば、自らのキャリアアップに役立ちます。給与や待遇面でも有利な条件を獲得できるでしょう。
こうしたメリットがある一方、会社の事業に深く関与するためウェブ解析士の責任は相応に大きくなります。社内はもちろんクライアントからもウェブマーケティングの専門家として期待されるため、プレッシャーも決して小さくありません。
ただ、それだけに仕事のやりがいや結果を出したときの達成感は、他では得られないものがあるでしょう。
ウェブ解析士になるためには?
ウェブ解析士の資格を取得するには、一般社団法人ウェブ解析士協会(WACA)から指定を受けた全国の「認定校」で「ウェブ解析士講座」を受講し認定試験に合格する方法と、直接試験を受ける方法の2つがあります。
すでにウェブ解析やウェブマーケティングについて一定の知識がある方や独学してきた方は、直接試験にチャレンジしても良いでしょう。ただ、関連分野を初めて学ぶ方はウェブ解析士講座の受講をおすすめします。いずれの場合も試験合格のあとで「認定申請レポート」を同協会に提出することで、正式にウェブ解析士の資格を取得できます。
なお、資格取得にかかる費用の内訳は下表のとおりです。
前述のようにウェブ解析士には、「上級ウェブ解析士」「ウェブ解析士マスター」という上位資格があり、それぞれ受講料・受験費用が異なります。最初はウェブ解析士」からチャレンジして、段階的に上位資格を狙いましょう。
資格 | 受験資格 | 費用 |
---|---|---|
ウェブ解析士 | 一般 | ・認定講座 11,000円 ・初回試験 17,600円 ・公式テキスト 4,400円 ・再試験 12,100円 ※試験のみの場合は「初回試験」費用と公式テキスト代のみ |
上級ウェブ解析士 | ウェブ解析士協会正会員・法人会員で「ウェブ解析士認定」を受けていること | ・認定講座(2日間) 88,000円 ※試験費用・テキスト代含む |
ウェブ解析士マスター | ウェブ解析士協会正会員・法人会員で「上級ウェブ解析士認定」を受けていること | ・認定講座(6日間) 330,000円 ※試験費用・テキスト代含む ※上級ウェブ解析士、ウェブ解析士マスターは認定講座の受講が必須です。 |
ウェブ解析士資格取得までの流れ
ウェブ解析士講座(認定講座)と試験は全国の認定校で随時行われています。なお、スケジュールなど詳細は一般社団法人ウェブ解析士協会(WACA)のサイトでご確認ください。
STEP1 公式テキストを購入し、事前学習を進める
「ウェブ解析士認定講座/試験」に対応したテキストを購入し、これをもとに事前学習を進めます。なお、テキストとは同協会のサイトまたはアマゾンで購入可能です。
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STEP2 認定講座へ申し込み・受講料の入金
一般社団法人ウェブ解析士協会(WACA)に認定講座の受講を申し込みます。なお、直接試験を受ける場合はSTEP4に進みます。
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STEP3 講座を受講
申し込みの際に指定した会場(認定校)でウェブ解析士認定講座を受講します。
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STEP4 認定試験・受験申し込み
講座を受講後、受験を申し込みます。
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STEP5 認定試験を受験
合格者は認定レポートを作成し、同協会に提出します。なお、不合格の場合は再試験が可能です。
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STEP7 ウェブ解析士に認定
一般社団法人ウェブ解析士協会(WACA)から正式にウェブ解析士として認定されます。
ウェブ解析士の難易度は?学習方法と試験対策
気になるのは資格取得の難易度でしょう。ウェブ解析士認定試験は2010年に認定制度がスタートしてから今日まで年々ハードルが上がり続けており、2018年12月時点で合格率は57%となっています。それだけウェブ解析士の重要性が増してきている証拠といえるでしょう。
2018年の合格実績データ
なお、試験の合格ラインは正答率70%。試験問題はすべて公式テキストに記載された内容から出題されるので、テキストを集中して攻略すれば合格を勝ち取ることはできます。ただし、2019年の大改訂によって公式テキストのボリュームが従来の1.5倍に拡大。相応の学習時間を確保する必要が出てきました。
「ひとまず出題内容を事前に知りたい」という場合は、一般社団法人ウェブ解析士協会(WACA)の公式サイトで公開されている模擬テストを受けてみましょう。
認定試験模擬テストはこちら
まとめ
ウェブマーケティングやサイト制作、広告全般の運用に関与されている方、アクセス解析のスキルアップを目指したい方に有用な「ウェブ解析士」という資格をご紹介しました。
もちろん、ウェブ解析士の資格を取得したからといって、すぐさま給与や待遇が向上するとは限りません。しかし資格を取得することで、それまで関わることのなかった経営や財務といった自社の上流施策に携わる機会は確実に増えるでしょう。その経験を着実に積み重ねていけば、収入、キャリアともに充実するはずです。
ウェブ解析士資格取得には相応の労力・時間・コストを要します。自分の中で明確なゴールを定め、実現に向けて真摯に学習を続けていくことが欠かせません。しかしそれだけの魅力と価値が、ウェブ解析士という資格にはあるでしょう。
新規サイトの立ち上げやブランディングを指揮統括するウェブディレクターをはじめ、ウェブマーケティングの知識とスキルを磨いてステップアップを図りたい新社会人の方などは、ウェブ解析士の資格取得にチャレンジしてはいかがでしょうか?
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雇用形態 | 請負、契約社員、派遣 |
給与・報酬 | 想定月収40万円~60万円 |
勤務地 | 東京都 渋谷区 |
職種 | Webマーケティング(SEO/SEM)(Web)、その他(Web) |
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雇用形態 | 請負、契約社員 |
給与・報酬 | 想定月収30万円~45万円 |
勤務地 | 東京都 港区 |