近年、データサイエンスの技術を求める企業が増えています。それに伴い、データサイエンスのスペシャリストであるデータサイエンティストの求人も増えてきています。
この記事ではデータサイエンティストを目指す人に向けて、仕事内容や役立つ資格、求められるスキルなどを詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。
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- データサイエンティストとは?
- データサイエンティストの仕事内容
- データサイエンティストに役立つ資格
- データサイエンティスト関連の資格を取得するメリットは?
- データサイエンティストに求められるスキル
- データサイエンティストが今注目される背景とは
- まとめ
データサイエンティストとは?
データサイエンティストとは、データの収集・分析の専門家であり、分析したデータに基づいて、事業戦略に必要な情報を提供する職業です。
ビジネスにおいては、顧客データや売上などの膨大なデータを扱うことになります。それらのデータは、分類にバラつきがあるなど整理されていないことも多く、データサイエンティストはそういった膨大なデータを専門的なスキルを活かして、論理的に整理するのが仕事です。
データサイエンティストの仕事内容
データサイエンティストの一般的な仕事内容は、以下の通りです。
1)顧客へのヒアリング
顧客がどのような課題を抱えているのかを明確にします。
2)データの収集・保存
ヒアリングをもとに課題解決のために必要となるデータの収集をし、デーベースに保存します。その際、不要なデータはカットするなどの加工も行います。
3)データの集計・分析
データをビジネスに活用するために、さまざまな視点から分析・集計をします。
4)データの整理・レポート作成
分析したデータを整理して、顧客に課題の解決策を提案するためにレポートを作成します。
以上の業務の流れは、企業によって異なることがあります。
データサイエンティストに役立つ資格
ここでは、データサイエンティストになるために役立つ資格を8つ紹介します。
基本情報処理技術者試験/応用情報技術者試験
公式サイト:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/fe.html
データサイエンティストになるために役立つ資格として、まず取得しておきたいのは、「基本情報処理技術者試験」並びに、「応用情報技術者試験」です。これらの資格は、IT系資格でも唯一の国家資格で、情報処理の基礎理論、プロジェクトマネジメント、SQL(データベース)など幅広い知識を問われます。
応用情報技術者試験は、基本情報処理技術者試験の上位資格になるので、まずは基本情報処理技術者の試験を受けると良いでしょう。
OSS-DB技術者認定試験
公式サイト:https://oss-db.jp/
「OSS-DB(オープンソースデータベース)技術者認定試験」は、この試験を受験することで、データサイエンティストに必要なデータベースの設計、開発、運用などの技術が備わっているかどうかを判断できます。「Silver」と「Gold」の2つのレベルがあり、Goldを取得するには、Silverを取得していなければいけません。
OSS-DB技術者認定試験を足掛かりとして、後述するデータスペシャリスト試験を受験する人も多いです。
統計検定
公式サイト:http://www.toukei-kentei.jp/
「統計検定」は、統計学に関する知識やスキルを認定するための試験です。データサイエンティストがデータを分析する際には、「分析結果からどんな結果が読み取れるか」といった統計学の知識が必ず必要になります。
統計検定は、4級〜準1級、そして1級の5段階にレベルが分かれており、自分のレベルに合った試験が選べます。1級のみ、「統計数理」と「統計応用」の2つの試験に合格しなければなりません。
オラクルマスター
公式サイト:https://www.oracle.com/jp/education/certification/index-172250-ja.html
「オラクルマスター」は、オラクル社が主催するデータベースの構築運用やデータベース管理の概要、SQLによるデータの抽出などを学べる世界共通の試験です。データサイエンティストは、データベースに蓄積されているデータを扱わなければいけません。オラクルマスターの受験勉強でデータベースに関する知識を網羅できます。
試験のレベルは、「Bronze」「Silver」「Gold」「Platinum」があり、Bronzeから順に試験を受ける必要があります。
データスペシャリスト試験
公式サイト:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/db.html
「データスペシャリスト試験」とは、データベースの設計や運用管理に特化した国家資格です。この試験は先述の「応用情報技術者試験」からさらにステップアップした難易度の高い試験であり、データベースに関して、より高いレベルのスキルを身につけられます。
国家資格であることから、オラクルマスターのように特定の製品に関する知識を問われることはなく、情報分析やプロジェクト管理など一般的なデータベースに関する問題が出題されます。試験内容は、午前に四肢択一の問題が出題され、午後は記述式の問題になります。
G検定・E資格
公式サイト:https://www.jdla.org/business/certificate/
「G検定・E資格」は、一般社団法人日本ディープラーニング協会を実施している試験であり、機械学習や深層学習の知識を学べます。G検定は、ディープラーニングの基礎知識が問われ、ジェネラリストのための試験です。
E資格は、エンジニアのための試験で、ディープラーニングの理論の理解し、実装する能力があるかを測るための試験です。機械学習や深層学習はデータサイエンティストの核でもあるため、受験しておくと良いでしょう。
Python3 エンジニア認定データ分析試験
公式サイト:https://www.pythonic-exam.com/exam/analyist
「Python3 エンジニア認定データ分析試験」は、一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が実施している試験であり、Pythonを使ったデータ分析の基本的な知識があるかどうかを測ります。
Pythonはプログラミング言語のなかでも、機械学習や統計解析など幅広い用途で利用できるため、しっかり学んでおきましょう。試験の難易度は初心者向けの基礎的な内容になるため、さほど難しくはありません。
統計士・データ解析士
公式サイト:http://www.jitsumu.or.jp/courselist/statistics/tokei
「統計士・データ解析士」の資格は、統計やデータを扱うための能力を確認するための資格です。統計士の資格は、統計を基礎から体系的に理解できるのに対して、データ解析士は統計の基礎知識を活かして、実務で使用できる統計技法を学べます。初歩的な内容でもあるため、「データサイエンティストについて初めて学習する」という人でも学びやすい資格です。
データサイエンティスト関連の資格を取得するメリットは?
データサイエンティストになるための必須の資格はありません。しかし、資格を取得することでさまざまなメリットがあります。例えば、就職や転職活動において、上記のような資格を取得しておくと、スキルを客観的に応募先企業に証明できます。
また、社内で知識やスキルを習得する場合は、OJTが採用されることが多いです。その場合、会社でしか使用しないような独自のノウハウしか学べないなどのデメリットもあります。しかし、資格試験を通して体系的に必要な知識を学べば、どの会社でも役に立つスキルが身に付くでしょう。
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データサイエンティストに求められるスキル
ここでは、データサイエンティストに求められるスキルを解説します。
統計学・データマイニングに関する知識
まず、データサイエンティストに求められるスキルは統計学に関する知識です。収集したデータを分析した上で、そのデータをどうビジネスに役立てられるかを考えなければいけません。そのため、統計学に関する知識は必須です。
また、データマイニングに関する知識も必要です。データマイニングとは、データ分析に関する技術で、主にデータの分類、データの関連性の発見、事象の発生確率の予測ができます。
プログラミングスキル
プログラミングスキルに関する知識やスキルも欠かせません。具体的には、R言語、Python、Rubyなどの言語で、1つ以上の言語のスキルは習得しておかなければデータサイエンティストとして活躍できません。初めてプログラミングを学習する人は、先ほど紹介した「Python3 エンジニア認定データ分析試験」から始めると良いでしょう。
機械学習についての知識
機械学習を活用したビジネスが増えているなかで、データサイエンティストは機械学習についても学んでおく必要があります。それは、データ分析だけでなく、機械学習のスキルや知識を活かし、分析基盤を構築するエンジニア領域の業務にも従事することもあるからです。
データベースに関する知識やスキル
データサイエンティストは、企業が保有する膨大なデータを処理するためのデータベースに関する知識やスキルを身につけておく必要があります。データベースに関する知識は、「OSS-DB技術者認定試験」「オラクルマスター」「データスペシャリスト試験」などを通じて身につけることができます。
データ分析ソフトウェアの知識・スキル
データ分析ソフトウェアの知識やスキルも身につけおきましょう。例えば、グラフ作成や分析などを行えるマイクロソフト社の「Excel」、IBMが提供している統計解析ソフトの「SPSS」などが挙げられます。このようなソフトウェアはプログラミング不要で、分析やデータ解析ができます。業務でもよく使用されているので、使いこなせるようにしておきましょう。
ビジネススキル
データサイエンティストは、ITに関する技術や知識だけでなく、ビジネススキルも求められます。なぜなら、統計や分析したデータを、どのように自社の事業戦略に活用するのかを判断しなければいけないからです。マーケティングに関する知識や問題解決思考スキルなどは、データサイエンティストにとっても欠かせないスキルです。
データサイエンティストが今注目される背景とは
インターネットや通信機器、デジタルデバイスなど、さまざまな情報技術が発達してきました。それにより、ビッグデータ市場は拡大傾向にあります。しかし、市場が拡大しているなかで、それを支えるIT業界の人手が不足しているという課題も抱えています。
さらに、市場の変化により、顧客のニーズも多様化していることから、膨大なデータをただ表面的に分析するだけでは、適切な戦略を立てられません。現状では、表面的ではない、高いレベルでデータの分析ができるデータサイエンティストの人数が圧倒的に足りておらず、どこの企業でも欲しています。
このような背景から、データ分析に関して高いスキルを備えたデータサイエンティストの需要が高まっています。
まとめ
データサイエンティストは、膨大なデータを高いレベルで統計や分析ができることから、需要が高まっています。データサイエンティストになるために必須の資格はありませんが、今回紹介した資格を取得しておくことで、転職活動や実際の業務でも役立ちます。データサイエンティスト・データアナリスト・データエンジニアなどに特化した求人情報は、こちらをチェックしてみてください。