今回はグラフィックの表現の仕方(演出)の傾向、そして現在に至るまでのトレンドについての2回目になります。
前回は初めての液晶からスーパーリーチの演出、期待度の高い群予告やステップアップ演出の登場までお話しさせて頂きました。今回はその他、今尚トレンドとして残っている演出変化の傾向をご紹介いたします。
■ 連続演出の登場(保留先読み演出)
同色図柄の停止、ギミックや導光板演出などで、保留を跨いで演出を魅せる今では定番となっている先読み予告ですが、初搭載されたのは意外と古く、1999年の夏ごろに登場した豊丸産業社の「勝負伝説」になります。竹屋の初代「CRモンスターハウス」の図柄が連続でツルツルツルっと、変動する「連続ツルツルアクション」が有名ですが、この勝負伝説は液晶背景の襖の木の枝に“青い花”が咲くと保留内のいずれかの変動でスーパーリーチが確定し、期待度も大幅にアップするという今の保留変化に近いものでした。しかし、2004年にこの先読み予告は規則改正によって禁止になり、2008年に解釈基準の緩和が行われ「CR大海物語スペシャル」で復活し、今現在でもトレンド演出として、大半の機種に搭載されるようになりました。
初めは小さなアクションの変化でしたが現在は保留変化を中心にギミックともリンクした魅せ方に変わってきている傾向と言えます。
■ 背景予告が登場
ギンギラパラダイスの魚群演出でリーチ後予告のアツさが浸透して、色々な機械で群予告が登場するようになりましたが、群予告の他にもリーチ後に期待が持てる演出が登場しました。それが、その機種特有のキャラクターをリーチ発生時の背景に出す「背景予告」になります。有名どころで言うと、CRエヴァンゲリヲンの「綾波レイの背景」や北斗の拳の「強敵(とも)背景」など、現状でも搭載されているメイン予告となっています。その背景を動かしてアツさを演出したのが花の慶次の「キセル予告」です。期待度を伝えるポイントは確立していたので、魅せ方を変える事で人気演出になった例と言えます。
■ 潜伏確変の登場
こちらはスペック的な要素が強いと思われがちですが演出の魅せ方でトレンドになったシステムと言えます。非液晶機の潜伏確変は豊丸社のデラマイッタになりますが液晶機での潜伏確変を搭載した機種が登場したのは2004年の1月に平和社から登場した「CR木枯らし紋次郎EJ」、その後サンセイR&Dから「CR哭きの竜」など出ましたが市場認知度は低く、中々浸透するまでには至りませんでした。そんな中、2004年の12月にビスティ社から登場した「CRエヴァンゲリヲン」が、コンテンツにあった演出の魅せ方で潜伏確変を表現しました。それがあの「暴走モード」になります。その後も色々な形で、現在まで潜伏確変はトレンドとなっていましたが規則的な問題で今後は潜伏確変を搭載することが難しくなるのではと言われています。
■ 疑似連演出
現在でも大当たりへのプロセスには欠かせないモノとなっている演出になります。ほぼどの機種にも搭載されており、色々な形で表現されております。元々、前記した連続予告(先読み演出)が2004年の規則改正によって、禁止になったのがきっかけで、この連続予告を表現する為に1変動内で複数回まわっているかのように見せていたのが疑似連演出と言えます。メイン予告との絡みで各予告がグレードUPする要素を含みながら演出していく疑似連を主軸に、コンテンツに合わせたストーリー疑似連(ストーリー仕立てで表現)やゾーンを設けて行う疑似連など、様々な魅せ方で疑似連演出を表現しています。最近はギミックやハード(導光版など)との絡みも多い傾向にあり、今後もギミックとの連動の他、外部デバイスとの連動も考えられます。
■ パチンコの期待色
最後にトレンドと言って良いのか疑問なところではありますがパチンコ・パチスロを打っている遊技者であれば、大半の方は知っていると思われる大当たり期待度を表現するのに一番多く使われている“色演出”、市場的には「青<緑<赤」この3色をベースに青より期待できるが緑より期待が持てない「黄色」(金がある場合はない事の方が多い)があります。赤以上に関しては「金」であったり「メーカー柄」を用いています。この色の法則は特に決まりがあるわけではないですが、どの機械も同じような扱いをしています。この色と演出表現の兼合いもヒット機種には欠かせない要素と考えられます。
今後もそのベースは変わらないと思いますが「青」に関しては浸透しているがゆえに「出現=ハズレ変動」と、遊技者に沁み付いていますので、近年は青を減らして違う色で対応する傾向が強まっております。
■ 魅せ方の変化
ハード面による映像面の変化・向上に合わせて、リーチ演出の表現変化やクリエイティブな映像による期待度の変化、そして各トレンドの魅せ方と言うのも日々変わってきております。その他、音やランプ、そしてギミックや外部デバイスなど、映像面をより良く魅せる役割を担っておりますが、その魅せ方の中心には必ずクリエイティブな映像面があります。それは今後も変わらずに進化していく事と思っております。