フリーランスの中でも人気の職業のひとつ、フリーライター。しかし、フリーライターになりたいと思っていても、「具体的にどういう仕事をするのか、どうすればなれるのかがよくわからない」とお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
フリーライターをはじめとしたクリエイターのサポートを行う株式会社クリーク・アンド・リバー社がフリーライターの仕事内容や年収、必要やスキルや仕事を獲得するコツを紹介します。
- フリーライターとは?
- フリーライターの年収・収入はどれくらい?
- フリーライターの仕事内容とは?
- フリーライターの必要スキル5選
- フリーライターになるには?
- フリーライターとして仕事を獲得する方法
- フリーライターのキャリアパス~ライターの次のステージとは?
- まとめ
フリーライターとは?
フリーライターとは、フリーランスとして個人で働きつつ、主に文章の執筆で収入を得る職業のことです。フリーライターにもさまざまな種類があり、エッセイや評論などを書く「コラムニスト」、広報・PRのためのキャッチコピーを考える「コピーライター」、企業や団体などのメディアに載るWeb記事を書く「Webライター」など、その仕事内容によって分類されています。
フリーライターの年収・収入はどれくらい?
「フリーランス白書2019」によると年収200万円未満が32%と最も多く、次いで200~400万円が26.9%です。1記事あたり2,000~3,000字程度、1文字1円以上が相場であることから、1記事の報酬は2,000~3,000円程度です。
ただし、専門的な知識や高度なライティングスキルが要求される記事の場合、文字単価が2円、3円…と上がっていきます。
またライティングの専門分野があり、SNSの活用やメディアとの契約などの営業スキルをもっている場合は年収1,000万円以上稼いでいるフリーライターもいます。
年収200~600万円未満が半数以上を占めるため日本の平均年収より低めですが、納品した分だけ報酬がもらえる「成果報酬型」の仕事とフルタイム勤務のサラリーマンの年収の比較は難しいでしょう。
フリーライターが年収を増やす方法を知りたい方は「CREATIVE VILLAGE」に掲載されている次の記事を参考にしてくださいね。
フリーライターの仕事内容とは?
フリーライターの仕事内容は関わる業界によって大きく異なります。主な業界としては出版・広告・Webです。ここでは、業界別にそれぞれの仕事内容や必要なスキルをご紹介します。
出版業界
主な業務は紙媒体(雑誌や書籍)での執筆です。媒体の雰囲気に合った文章を書くスキルだけでなく、高い専門性を求められる傾向があります。
広告業界
主に指定の商品を売るための広告記事や、キャッチコピーなどを作成します。商品の良さを引き出し購買につなげる能力や、限られた文字数で印象に残るキャッチーな文章を書くスキルが必要です。
Web業界
各企業・団体のWebメディアやブログ、SNSなどを主に代行制作します。クライアントの意図をくんで記事にする文章力はもちろん、SEO(そのメディアを上位表示させるための取り組み)やSEM(SEOに加え、有料広告を利用したマーケティング)といったWeb関係の知識も必須となります。また、紙媒体の業界が近年縮小傾向にあるのに対し、Web業界は今後も大きな伸びしろがあることも特徴のひとつです。
在宅の仕事だけではなく、取材を行うこともあります。講演会やライブなどに参加し、様子を伝えるイベント取材や、著名人や企業の社長に直接お会いし、テーマに沿ってお話を伺う人物取材など、その内容もさまざまです。
当日一発勝負かつ時間拘束がある分、単価は高く、取材ライターとして取材を専門にしているライターもいます。執筆だけでなく、一眼レフカメラなどでの撮影もできるとより単価と需要が高まります。
このように、フリーライターの活躍できる業界はかなり幅広く存在しています。ご自身の適性や持ち味を分析し、それを最も活かせる仕事を選ぶと良いでしょう。
フリーライターの必要スキル5選
では、フリーライターとして活躍するにはどのようなスキルが必要なのでしょうか。必要なスキルを具体的にご紹介します。
文章力【大前提のスキル】
文章を書く仕事であるフリーライターには、文章力が欠かせません。しかし、珍しい言い回しや、誰もがうなるような内容を書く能力が必要なわけではありません。まずは正しく読みやすい文章を書くことが大切です。さらに、主婦向けの記事なら柔らかめに、ビジネスマン向けの記事なら硬めに、というように、掲載先のメディアに合った表記・内容で記事が書けるようになると、さまざまなメディアで執筆できるようになります。
リサーチ力【ライターはリサーチ力命】
多くの記事は、指定のテーマについてネット上でリサーチしながら、情報を取捨選択したうえで執筆します。ライター個人の経験や知識だけに基づいた記事だと、読者が求めている情報が書けないことがあるからです(「体験談」として経験・知識をもとに書く記事もあります)。わからないことや、記事に必要だと思ったことはすぐ調べ、必要に応じて書籍を読んだり店舗に問い合わせたりすることもあります。
企画力【企画が記事の良し悪しを決める】
フリーライターは執筆だけでなく、その前段階である企画も依頼されることがあります。そのメディアの読者層によく読まれそうな企画を提案・執筆することで、記事がたくさんの人に読まれ、クライアントにも喜ばれます。企画力が高ければメディアの発展に貢献できるため、営業時に企画を持ち込むことで、希望のメディアで執筆できる可能性が高まります。
コミュニケーション能力【ライター=営業職】
ライターは記事の執筆以外にも、営業・執筆条件の確認・単価交渉など、クライアントと関わることの多い仕事です。特にフリーライターの場合、営業して仕事を獲得する必要があるため、コミュニケーション能力が高いと有利になると言えるでしょう。基本的なビジネスマナーはもちろん、編集者との調整や意図のくみ取りを円滑に行うことで、営業・執筆も進みやすくなります。
基本のPCスキル【社会人の常識】
在宅で仕事を行う「リモートワーク」が多いフリーライターにとって、WordはもちろんGoogleドキュメントなどのネットツールが使えることは必須の条件です。クライアントとの連絡もChatwork・Slackなどのチャットツールを使うことが多く、新しいツールをすぐ使えるようになる柔軟性も重要です。また、タッチタイピングが必須なのはもちろん、タイピングスピードが速いほど仕事をたくさんこなせて有利です。
ライターのキャリアアップについては以下の記事も参考にしてみてくださいね。
フリーライターになるには?
フリーライターになるためには、大きく分けて3つのルートがあります。ここでは、それぞれのルートについて流れを簡単にご紹介します。
出版社・編集プロダクションから独立する
出版社や編集プロダクション(委託による記事作成などを行う企業)などに所属し、経験を積んだ後にフリーライターになる方法です。執筆・編集の技術はもちろん、社員やアルバイトとして勤務することで、社会人としてのビジネスマナーや業界の慣習なども学べます。フリーランスと違い、安定した収入を得ながら必要なスキルを学べるのが大きなメリットです。
ライター講座・スクールに通う
講座やスクールで技術を学んだ後、フリーライターとして独立する方法です。講座によって期間や金額は異なり、数ヶ月間にわたり週末に行うものや、1ヶ月の短期集中型で行うものなど、さまざまです。
費用はかかりますが、本業で安定した収入を得つつライターに必要な技術を効率的に学び、独立に向けてじっくりと準備できるのがメリットです。
クラウドソーシングで未経験可の仕事に挑戦する
仕事が欲しい人と仕事を発注したい人をネット上でつなぐサービスである「クラウドソーシング」を利用し、未経験可の案件から徐々に経験を積んでいく方法です。
未経験者・初心者向けの仕事は文字単価0.5円などと、低単価のものも多い反面、スキルや経験がなくてもすぐ実績を積めるうえ、知名度が上がれば大幅な単価アップも可能になるのがメリットです。
フリーライターとして仕事を獲得する方法
フリーライターになってから仕事を獲得するためには、さまざまな方法があります。難易度別に見ていきましょう。
初級編
まずは未経験からフリーライターとして仕事をしていきたい方がスキルアップ・仕事獲得のために活用できる方法を4つご紹介します。自分に合った方法が見つかったらチャレンジしてみてくださいね。
クラウドソーシングを活用する
上場企業が運営しているランサーズやクラウドワークスを始め、現在ではさまざまなクラウドソーシングサービスが利用できます。ほとんどのクラウドソーシングサービスが登録無料で初心者・未経験者向けの案件もあるため、「まずは実績を積みたい」という方におすすめです。
知人・同業者に仕事を紹介してもらう
「フリーランス白書2019」によると、フリーランスが仕事を獲得する経路の第1位は人脈(知人の紹介を含む)です。全体の約80%の方が「紹介で仕事を受注したことがある」と回答していることからも、知人や同業者とのつながりを広げておくことが有効であるとわかります。
クリーク・アンド・リバー社でもクリエイターのキャリアアップのためのイベントを開催しています。気になる方はぜひチェックしてみてください。
SNSの情報発信で仕事につなげる
Twitter・Instagram・Facebookなど、各種SNSで執筆記事を拡散したり、ブログやnote(記事の執筆や発売ができるプラットフォーム)の投稿を宣伝したりと、発信が仕事につながることもあります。フォロワーを増やすと宣伝効果が大きくなるため、営業の際に「執筆記事を拡散できます」と武器になることもあります。
自分のサイトやポートフォリオを準備する
ブログを作る、代表記事をPDFにしてポートフォリオを作成するなど、営業時に実績としてすぐ参照できるものを用意しておくことも大切です。ブログなどを活用し、Web上に単価・実績ページを作成しておくことで、いつでも自分をアピールすることができます。
フリーライターとして仕事を獲得する方法(上級編)
最後に上級編。すでにメディアなどでライティングの経験を積んでいる方は自分の実績をポートフォリオサイトにまとめて自分の強みが活かせるメディアの編集者に連絡を取り、企画を持ち込むと良いでしょう。
直接企画を持ち込む
記事を執筆したいメディアがある場合、そのメディアに採用されそうな企画を練る・記事を書くなどして、直接営業をかける方法です。そのメディアの「ライター募集」ページから応募するか、「お問い合わせフォーム」から連絡することで採用されることもあります。また、直接アポをとり編集者に会いに行くことで、熱意を認められる可能性もあります。
フリーライターのキャリアパス~ライターの次のステージとは?
フリーライターとしてある程度実績を積んだ後は、編集者やディレクターになるキャリアパスが一般的です。まずはライター、編集者、ディレクターの仕事の違いについて簡単に把握しておきましょう。
ライター
ライターは原稿を書くのが主な仕事です。編集者から渡された企画・構成案をもとに記事を書くことがほとんどですが、実力を認められると企画立案から関わることもあります。執筆にも、リサーチをもとにするもの、体験談を書くもの、取材してその内容をまとめるものなど、さまざまな内容のものがあります。
編集者・ディレクター
企画・構成案を作成してライターに執筆を依頼し、納品された記事を確認・修正するなど、記事をプロデュースする仕事です。ライターの採用、問い合わせ対応、報酬の振り分けなどを任されることもあります。
編集者・ディレクターになる場合、業界によっても業務内容やなり方が変わってきます。
出版業界
フリーライターとして実績を積んだ後、フリーの編集者になる方法です。フリーの編集者として仕事をとるためには、実績やコネクションが重要です。まずは出版社や編集プロダクションなどで勤務し、信頼を得ておくのが近道と言えるでしょう。
広告業界
出版業界と同じく、まずは広告代理店などで経験・実績を積むことが重要です。広告業界のクリエイティブディレクターに関しては、詳しくまとめた記事がありますのでこちらをご覧ください。
Web業界
他の業界と異なり、Web業界のライターはクラウドソーシングなどから未経験可の仕事を得ることができるため、個人で実績を積んでいくことも比較的容易であると言えます。今後、より需要が増してく職種であるため、フリーライターとして働きながら最終的にフリーの編集者を目指すのは良いキャリアプランと言えるでしょう。Web編集者のキャリア事例や求人情報に関しては、こちらの記事もぜひご覧ください。
まとめ
フリーライターは収入的に不安定ではありますが、未経験でも挑戦することができ、スキルの積み方を工夫すれば自分で収入を増やすこともできる職業です。その後のキャリアパスも複数あるので、気になる方は挑戦してみてはいかがでしょうか。
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