リクナビNEXTの調査「転職理由と退職理由の本音ランキングBest10」において転職理由の本音トップ3のうち2つは「人間関係」でした。
しかし「人間関係」のもつれを理由に転職活動を始めた場合、本来の目的である「自分のキャリアパスの見直し」や「キャリアアップ」を意識できず、転職活動が失敗してしまう可能性があります。
失敗しない転職をするために必要な作業が「自己分析」です。
この記事では以下3つを目的にした自己分析について、クリエイターの転職支援を行うクリーク・アンド・リバー社が転職希望者に向けて解説しています。
- 苦手な業務を知る(企業・業務のミスマッチを防ぐ)
- 得意な業務を知る(貢献できるポジションを把握する)
- キャリア志向を知る(企業とともに自分が成長できる求人を把握する)
- 1.転職の自己分析の目的
- 1-1.転職活動をスムーズに行うため
- 1-2.ライバルに勝つため
- 1-3.転職後に後悔がないようにするため
- 2.転職の自己分析の方法
- 2-1.経験・スキルの洗い出し
- 2-2.仕事以外の得意なことを書きだす
- 2-3.エピソードを交えて整理する
- 3.転職の自己分析の活用例について
- 3-1.自分の人生の指針になる
- 3-2.自己観察に応用できる
1.転職の自己分析の目的
後悔なく転職活動を終えるために、自己分析は大切な役割を果たします。まずは、自己分析の目的を理解しましょう。
1-1.転職活動をスムーズに行うため
転職サービスの登録ページや面談時の情報をもとに一度に多くの求人を求職者に送付する転職エージェントサービスもあります。
このような場合、自己分析をしっかり行っていないと自分の希望に合った求人を見つけるだけで時間がかかってしまいます。
自己分析をすることで自分に合っている求人を判断しやすくなり、自分のキャリア志向に合った転職活動を進めることができます。
1-2.ライバルに勝つため
転職を考えているライバルは数多く、彼らよりも秀でたポイント、またはポジションに合致していることなどをアピールできないと、志望先の企業には入社できません。採用過程で自己PRのチャンスは何度か巡ってきます。
その度に「自分は戦力になる人材である」と面接官に納得してもらう必要があります。そのためには自分の強みを具体的な言葉にして自分の市場価値を伝える必要があり、自分の強みを言語化するためにも自己分析は役立ちます。
その結果、他の選考者よりも情熱や適性を認められたなら、自分が希望したポジションにつくことも可能でしょう。
1-3.転職後に後悔がないようにするため
志望した企業へと転職できたとしても、その時点で成功や失敗は決まりません。転職先で働いてみて、ようやく自分の決断が正しかったかわかります。自己分析を怠って、転職先の選択を誤ると以下のような人生の分岐点になってしまうことも考えられます。
- 希望の給与を満たせない
- 自分のキャリアアップが見込めない環境で年齢を重ねてしまう
転職で自分の生活やキャリアの質を上げるためには自分が転職で叶えたいことと妥協点を把握しつつも、仕事に対する明確な価値観を持つようにしましょう。
また自己分析を怠ってしまうと、せっかく転職をしても自分のキャリア志向に合わず、すぐに退職を考えるようになる可能性もあります。自分が納得して、心地よく働ける職場を見つけるために、自己分析は正しく行いましょう。
2.転職の自己分析の方法
自己分析には基本的な流れやポイントがあります。手順を意識しながら、自己分析の精度を上げていきましょう。
2-1.経験・スキルの洗い出し
以下で具体的な自己分析の手順を説明していきます。
仕事内容・スキルを書き出す
キャリアは仕事で積み重ねてきた業務スキル一つ一つで成立しています。また些細に思えるポイントでも客観的に分析すれば重要な役割を占めている可能性もあるので、可能な限り仕事内容・スキルを書き出してリスト化していきましょう。
自分の価値観をまとめる
「価値観」は企業理念に共感できるか否かを左右する項目になります。「嬉しかった思い出」「辛かった思い出」を書き出すことで自分が何を生きがいにしていたか、何が仕事のモチベーションになっていたかがわかるでしょう。
2-2.仕事以外で得たことを書きだす
自己分析では、仕事以外の要素も仕事のモチベーション・行動を把握する材料になります。リスト化するのは主に以下の3点です。
仕事以外のキャリア分析は、志望業種によっては重要性を増します。例えば、未経験の業種に就きたい場合です。
- 仕事以外で得た【特技】
- 仕事以外で得た【知識】
- 仕事以外で得た【人脈】
未経験の業種であっても、人間性や価値観の部分で強みを訴えられたなら、企業から興味をもってもらえる可能性があります。
キャリアを書き出し、内容を分析したら自分の価値観(好き嫌い・得意不得意)が見えてきます。
2-3.エピソードを交えて整理する
それから、価値観を言語化していきましょう。
価値観の言語化
ただ、ここで言語化した価値観を職務経歴書・履歴書に書いたり、面接で伝えるだけでは不十分です。自分の価値観を証明できるようなエピソードで、主張を補強することで採用担当者もあなたに興味をもち、「一緒に働きたい」と考えてくれるでしょう。
- 価値観
- 粘り強い
- エピソード
- 未経験職でコピーライターとして入社。最初の1年間は提案したコピーが評価されることは全くなかったが、周囲の優秀な先輩方の仕事を見て学び、さらには社外で講座やイベントに参加することで知識をつけた。努力が実り、2年目では新人賞を受賞した。
自己分析の結果を履歴書の自己PR欄でまとめるなら、以下のような流れを意識することが大切です。
しっかりまとまった自己PRには企業も興味を示しますし、面接で説明もできるでしょう。
3.転職の自己分析の活用例
自己分析を転職の際に行っておけば、今後、活用できる機会が広がります。その活用例を2つご紹介します。
3-1.人生の指針
今の自分を正しく理解できれば、難易度の高い仕事に取り組むときでも不安や恐れが少なくなるでしょう。逆に、うぬぼれをなくすことで素直に他人の手を借りやすくもなります。自分の実力に見合った行動をとりながら、さらなる向上心を持つことが可能です。
3-2.自己観察
自己分析で明らかになった長所・短所を日常生活の行動パターンから客観的にとらえる作業です。自己分析は自己観察のきっかけにもできるでしょう。
自己分析の結果を踏まえて自己観察に進んでいくと、自分の知りたい部分を掘り下げられます。「自己分析が当たっているかどうか」と意識することで、自己観察の正確性も高まるでしょう。そうやって自分の本質を導き出せば、今後の人間的成長にもつなげられます。
4.まとめ
正しく自己分析ができれば、自分の価値観が明確になります。大切にしたいことがはっきりするので、企業選びに困りません。
面接時にも迷いなく質問に答えられるでしょう。それに、自己分析の結果を把握しておくことで、人間的な成長にもつながります。転職活動では最初に自己分析を行い、自分自身を客観視しながら成功を目指しましょう。