プロフェッショナル×つながる×メディア
CREATIVE VILLAGE

【初心者向け】プログラミング言語の選び方!言語別の特徴や将来性をチェック

グローバル化やスマートフォンの普及、ビッグデータや人工知能(AI)などの技術革新が急速に進んでいる時代では、コンピューターやネットワークを駆使した仕事がより重要視される傾向にあります。そうした現状を踏まえ、日本でも文部科学省主導で学習指導要領も変更になり、2020年度から小学校で、2021年度からは中学校でプログラミング教育が必修化されています。

もはやプログラミング言語は、国語や算数などと同様に義務教育課程でも学ぶべき重要な学習内容だと言えるでしょう。そうした近年の考え方の変化の状況も踏まえ、これからより強化して学ぶべきプログラミング言語について紹介します。JavaやPHP、C++、JavaScriptなどの一般的な内容から、社会人の中で人気の言語ランキングについても触れていきます。

プログラミング言語の選び方を決める

プログラミング言語の選び方として、「需要で選ぶ」「やりたいことから選ぶ」の2つを軸に紹介します。自分がどうしてプログラミング言語を学びたいかを考えたうえで、まずはプログラミング言語の選び方を決めましょう。

まず、需要で選ぶ方法のメリットは、仕事を見つけやすいところにあります。そのため、プログラミングを学習した先にプログラマーとしての長期的なキャリア形成を考えている方は、需要が高い言語を選ぶと良いでしょう。ただし、一時的な流行で言語を選んでしまうと習熟した後に需要が減ったり、基礎が疎かになったりして転職が難しくなるという場合もありますので、長期的な視点も忘れないことが大切です。

次にやりたいことから選ぶ方法ですが、これは「ゲームが開発したい」「Webサイトを作りたい」など、目的が決まっている方にはおすすめと言えます。言語ごとに得意な分野が異なるので、自分のやりたいことができる言語を調べて学習しましょう。

需要で選ぶプログラミング言語

プログラミング言語のトレンドは日々移り変わりますが、人気言語の上位の名前はそこまで変わりません。時代の変化にかかわらず多くの需要を獲得しているプログラミング言語もあるので、まずは一般的に人気の言語を押さえておきましょう。

JavaScript

Webコンテンツの様々な部分で活用されるほか、バックサイドでも使用され、幅広い開発分野で活用されているため、高いシェア率を持っています。汎用性の高さがそのままシェアにもつながっています。

HTML

HTMLはHyperText Markup Languageの名の通り、本来マークアップ言語として開発されていましたが、HTML5の登場で高度な処理に対応したAPIを利用できるようになり、HTML4以前と比較するとより高度な機能を持ったWebアプリを開発、構築することができるようになりました。

CSS

Webサイトを装飾するだけでなく、JavaScriptとHTML5と組み合わせることで、動的なWebアプリを構築できるスタイルシート言語です。HTMLと合わせてWebブラウザでの表示の際、事実上必須となるためこちらも高いシェアになっています。

SQL

RDBMS(関係データベース管理システム)において、データの操作や定義を行うデータベース言語です。RDBMSには様々な派生があり、CMSとして有名なWordPressやMovable TypeはMySQLを使用しています。SQLにはいろいろなものがありますが、DBを扱ううえで使う場合が多いため高いシェアとなっています。

Java

IT企業などで多く使われる傾向にあり、特に大規模システムにおける大きな需要と市場を持つオブジェクト指向言語です。Androidの開発でも使用するため高いシェアとなっているようです。

Bash/Shell

Unixのコマンド言語です。Unix上で様々な処理をするために使用します。開発に使用するサーバーを扱う際に使う頻度が高いものになります。

Python

汎用性が高く、人気の言語ですが、最近では特に機械学習やディープラーニングなどで脚光を浴びています。AI・データサイエンスを知識だけではなく実践的に身につけ、活用するうえでPythonのスキルが役立ちます。

C#

C言語系列のオブジェクト指向言語です。WebアプリからWindowsアプリまで幅広く開発できます。最近ではゲーム開発のために使うフレームワークUnityなどでも使われているため、高い人気を誇っています。

PHP

Webアプリ開発ではトップシェアともいえる汎用言語で、主にスクリプト言語として活用されることが多いです。メジャーなプロダクトにWordPressなどもあり、いまだに高い順位を維持しています。

C++

C言語系列のオブジェクト指向言語で、大規模システム開発に活用されています。

世界的に見るとやはり需要に対して習得者が増えるため、Webアプリに寄りがちなのは否めませんが、一方JavaやC#といったアプリでも使える言語、PythonなどのAI系で使われることが多い言語なども上がってきているのが特徴的です。

やりたいことから選ぶプログラミング言語

プログラミング中の場面

初心者の方がプログラミング言語を学ぶ場合、中には習得途中で頓挫してしまうケースもあります。志半ばで諦めてしまう要因の1つに目的意識が挙げられます。何となく時代の流れでプログラム言語を学ぼうとしても身につかない恐れがあるでしょう。しかし、「スマホアプリを作りたい」「Web開発をしたい」などの目標があれば、学習意欲にも大きな影響を与えるはずです。目的別に学ぶことをおすすめするプログラミング言語を紹介します。

スマホアプリを作る

スマホアプリを作る場合、ベースになるOSによって言語が異なります。順番に紹介します。

Java、Kotlin

Android OS用のアプリを開発する時の定番はJava、さらに近年はKotlinというJavaベースの専用言語が開発されました。スマホの普及に合わせて需要は今後ますます拡大するため、JavaとKotlinはAndroid用アプリ開発では必修の言語と言えるでしょう。

アプリ作成に使えるサンプルソースも多く、参考になる入門書籍やWebサイトが多数あるため、簡単なアプリ作成から始めるには最適な言語ともいえます。EclipseとよばれるIBMが開発したIDE(統合開発環境)を使用して開発できるのが特徴です。

Swift

iOS、MacOSを始めとするApple製品で使用できるアプリを作成するための言語です。コンパイラ言語ですが、インタプリンタとしてスクリプト実行もできます。Appleが開発した統合開発環境Xcodeを使用して開発するため、WindowsOS上では開発できません。

もともとApple製OS用のアプリ開発に用いられていたObjective-CやC++に代わって開発された言語であり、まだ登場したばかりの新しい言語でもあります。2019年3月にはSwift5が発表され、Swiftのライブラリが今後すべてのMacOS、tvOS、watchOSのバージョンに含まれることになりました。これにより、以前に比べてアプリのビルドが容易になり、アプリサイズも縮小されることになりました。

Webサイトを作る

ネット社会の情報源としてベースとなるWebサイト。サイト環境の開発に役立つプログラミング言語を紹介します。

PHP

PHPはWebで動的なコンテンツを作成する言語としては、現在もっともメジャーな言語です。DBとの連携能力が強く、スクリプト言語として扱いやすく高速なため、多くの動的コンテンツで使用されています。
CMSとして世界シェア60%以上を占めるともいわれるWordPressもこの言語で記述されています。
ほとんどのレンタルサーバーに標準でインストールされており、実行環境の準備に手間がかからない点も便利な言語です。

さまざまなフレームワークがあり、代表的なものにはRuby on Railsの概念を多く取り入れたCakePHP、Githubでも高い人気を持つLaravel などがあります。

Ruby

開発当時大きなシェアを持っていたPerlに対抗して開発され、パール(真珠)に対してRuby(ルビー)と名付けられた日本産の言語です。最新のマニュアルや開発情報などすべて英語と同時に日本語でリリースされるため、日本人にとっては多くの言語の中でも情報を取得し、また習得しやすい言語の一つです。

登場当初はPerl全盛からPHPへの過渡期にありシェアの伸びは大きいとはいえませんでしたが、現在はWeb開発のシーンでRuby on Railsの需要が大きく拡大しています。可読性を重視した構文構造になっており、すべてのデータ型がオブジェクトになっている純粋なオブジェクト指向言語であることが特徴です。楽しく学び、楽しく使うことを目的とした実用性の高い言語でもあります。

JavaScript

Webアプリ開発において避けては通れない言語です。登場当初はHTMLで記述されたWebサイト上に簡単な動的表現をする程度にとどまっていましたが、現在はサーバーサイドJavaScript実行環境や各種のライブラリが充実したことにより、Web開発全般で活用されています。

Facebookが開発したフレームワークReact Nativeのように、モバイルアプリ開発も可能です。
HTML、CSSと組み合わせることにより、よりインタラクティブなWebアプリが開発できるため、Webアプリ開発をするためには必須ともいえます。

デスクトップアプリを作る

コンピューターのデスクトップ環境上で動作するアプリケーションソフトウェアの制作も需要があります。Windowsシリーズなど、PC操作を行ううえで基本となるアプリケーションを作るための言語を紹介します。

C#

Windows向けのデスクトップアプリの開発言語としては鉄板のメジャーな言語です。.NET Framework上で動き、メモリ管理が得意な言語でもあります。そのため、大きめのアプリを開発するのにも活用されています。またWebアプリの開発でも高速性を活かして使用されています。

最近モバイルやブラウザのゲームアプリ開発で人気が上昇しているUnityは、C++をベースにエンジンが記述され、Unityscript(JavaScript)とC#、Booの3つのプログラミング言語に対応しているクロスプラットフォームゲームエンジンです。

AI/機械学習向け

近年急激に市場が拡大しているAI開発・機械学習のプログラムを作るのであれば、PythonまたはRの二択になります。他の言語でも作成はできますが、業務レベルでの実用性ではライブラリの充実度を含め、この2つの言語に遠く及びません。

Python

AIといえばPythonといえるほど、ディープラーニングの分野で脚光を浴びている言語です。汎用プログラミング言語として開発され、コードの高い可読性と書き安さが特徴です。また本体は非常に小さく、様々なライブラリに対応することで豊富で膨大なツール群を抱え、目的に合わせてユーザーが環境と機能を拡張していくことができます。

Pythonは多くのOSとハードウェアに対応しており、クロスプラットフォーム開発にも向いています。また、オブジェクト指向、命令型、手続き型、関数型などの複数の形式でプログラムを記述することができます。
開発当初からデータサイエンスや科学技術コンピューティングに用いるよう開発されているため、その点がディープラーニングの要件にマッチしたことにより、PythonはAI開発と機械学習で活用されるようになりました。

R言語

データ解析・統計プログラミングとして開発された言語であり、学術や研究の分野で活用されていました。設計開発の時点から統計解析言語として作られているため、データの分析や統計の解析に関して特化しており、他の言語と比較しても群を抜いて優秀な言語といえます。

R言語もPythonと比較しても劣らない拡張機能やライブラリが充実しています。RStudioとよばれるIDEがあるため、導入のハードルが低く、機械学習向けパッケージを導入することで容易に機械学習環境を整えることができます。

初心者の方が把握しておきたい言語の難易度

習得難易度の高い言語はどうしてもある程度のレベルに到達する前に挫折しそうになるものです。そこで、主観的な視点でそれぞれの言語の難易度を記載しています。もちろん、人それぞれが感じる難易度は異なる場合もあるので、あくまで参考程度にご覧ください。

言語 難易度(筆者の主観) 備考
PHP テキストエディタでも作業ができ、比較的容易にある程度の開発ができますが、DBを活用する場合SQLの知識も必要です。
Ruby テキストエディタで開発が可能で可読性が高く、日本語のヘルプが充実しているため、習得までは比較的容易です。
JavaScript 簡単な記述はすぐに習得できますが、サーバーサイド開発まで踏み込むと習得が急激に難しくなります。
GO 低~中 シンプルな構造を持っており、プログラミング入門者にうってつけの言語です。
Java ポピュラーな言語でサンプルコードも多くEclipseのようなIDEもありますが、業務レベルでの習得難易度はかなり高めです。
Swift 開発環境はMacOS上に限られるため、ハードウェアの面で制約があります。
Scala JavaVM上で動作するハイブリッド言語なので、完全な初心者には少しハードルが高めです。
Python 中~高 可読性の高いコードとサンプルが多いものの、ディープラーニングのための統計処理には言語以外の知識も必要になります。
C# 中~高 C言語系は一般的に業務レベルでの習得が難しく、C#も例外ではありません。
R言語 統計プログラミング言語のため、習得の難易度は若干高めです。

社会人必見!「プログラミング言語に関する調査(2022年版)」の結果

ITエンジニア向け国内最大の転職・就職・学習プラットフォーム「paiza(パイザ)」では、ユーザー登録しているITエンジニア、プログラミング学習者を対象に「プログラミング言語に関する調査(2022年版)」を実施しました。

社会人のプログラミング学習ではPythonが1位

人気の高いプログラミング言語
出典:paiza「プログラミング言語に関する調査(2022年版)」

社会人における学習で安定的に人気が高い言語はPython、Java、PHP、JavaScriptが上位を占めました。Pythonはデータサイエンス、数値計算、機械学習系のライブラリが充実しており、AI、統計処理、研究などでよく使われます。現代に合ったニーズがあることに加え、Pythonは「読みやすさ・わかりやすさ」を重視した言語である点も人気の要因です。

初心者でも学びやすく、社会人から学習する方も多い傾向にあります。Java、PHP、JavaScriptは、いずれも企業の開発現場で広く用いられているので、求人数が多い点が特徴。現場ニーズの高さが社会人の学習意欲に直結しています。

また、Go、Kotlinの学習人気が伸びている傾向にある点も興味深いところです。GoはGoogleで設計された言語であり、シンプルで処理速度が早いなどの利点があります。また、KotlinはAndroidアプリの開発でよく使われるため求人数が増加しているようです。社会のニーズが高い言語は今後も伸びていくことが想定されます。

転職における言語別の平均年収ランキング

転職における言語別の平均年収ランキング

出典:paiza「プログラミング言語に関する調査(2022年版)」

2022年言語別平均年収ランキングにおいては、学習人気、企業ニーズともに伸びている比較的新しい言語Scala、TypeScript、Goがトップ3でした。特にScalaは2020年と比べて平均年収が約72万円と大幅アップ。「paiza転職」の登録者で上記3言語の基礎知識がある方はごく少数で、Scalaで全体の1.0%、TypeScriptで2.6%、Goで2.4%でした。それらの言語のスキルを持つ人材は、非常に希少なので、採用現場においても提示される金額が高くなる傾向にあるようです。

プログラム言語を一から勉強するには

プログラミングのイメージ

言語を学習するにはどんな方法があるのでしょうか。何をどのように学びたいのか、どれくらいの熟練度を目指したいのかによっても、方法は大きく異なりますが、大きく、書籍、Web、スクールの3つに分けて解説します。

その1:書籍で学ぶ

入門からある程度の応用、熟練者向けの技術書まで様々な書籍があります。まったくプログラミング経験がない人が初めて言語に触れる場合、環境構築から言語の構造や考え方、該当の言語を取り巻く環境や需要の解説、初歩的なプログラムコードのサンプル、応用まで体系が一本にまとまっているため、1冊入門書を購入して始めるのが良いでしょう。
特にオライリー社の「はじめての~」シリーズはゼロから学べ、網羅的に書かれているためおすすめです。

その2:Webで学ぶ

オンラインにはプログラミング言語によって、言語の公式サイトを始めとして様々な情報サイトがあります。基本的に無料で公開されているものがほとんどで、Software Development Kit(SDK=ソフトウェア開発キット)も配布されているため、まずは言語に触れてみたいという人はオンラインの初心者向け入門サイトを探してみるのが良いでしょう。

サンプルになるソースコードを公開しているサイトも多く、ソースコード共有サイトともいえるGithubなども活用すると中級以上のスキルを身につけることができます。ただし、必要な情報を検索する力だけでなく、より高度な情報を調べる場合は英語力が必要になる場合があります。

その3:スクールに通う

お金をかけて一定の期間で一気に習得するなら、プログラミングスクールに通うのも手軽でおすすめです。
現在はオンラインスクールが多く、TechAcademyやCodecamp、TECH::CAMP、ドットインストール、Progate、Paizaなど様々な特徴のあるスクールが展開しています。

言語によってはクラウド上に開発環境を持つスクールもあり、SDKの導入や開発環境の下準備が不要ですぐにコードに触れることができます。また、動画やチュートリアルが用意されているスクールも多く、項目に沿って学ぶことで、短時間で効率的に言語を習得することができます。
スクールによっては入門向けの講座は無償で公開されていることもあるため、目的や自分の技術のレベルに合わせてスクールを選ぶ時に、いろいろと試すことができます。

需要が高く、スキルが必要とされる言語からまずは学ぼう

プログラミングの学習

【初心者 プログラム言語のまとめ】

  • 学ぶべきプログラミング言語は需要とやりたいことをベースに選ぶ
  • 平均年収が高いプログラミング言語はニーズやトレンドによって変わる
  • 決めきれない方におすすめのは、JavaScript、PHP、Python

Webプログラマーとしてプログラム言語を学びたい人がまず身につけるべきは、JavaScript、PHP、Pythonになるでしょう。JavaScriptは、HtmlとCSSと一緒に使われることが多く、仕事でHTMLやCSSを普段からいじっていれば、おなじみの言語となります。JavaScriptが使われているWebサイトも多いので、仕事をしながら学ぶことができるでしょう。

PHPは、WordPressをはじめ、いろいろなWebサイトやシステムで使われている汎用的な言語です。
PHPを習得すると、仕事や転職の幅が広がるでしょう。また年収のUPも望めます。HTMLの基本を理解していれば、それほど習得が難しいものではありません。

Pythonもニーズが高いのでおすすめです。AIの開発やシステム開発などに用いられ、世界的にも人気が高くシェアの規模も大きい点が魅力。特にAI開発を希望しているなら、絶対にマスターしておくべき言語でしょう。

著者情報
株式会社クリーク・アンド・リバー社
メディア・セクション
CREATIVE VILLAGEは、クリーク・アンド・リバー社※が運営する クリエイティブ業界に特化した情報を扱うメディアです。 クリエイターへのインタビューやコラム、各種セミナー、イベントなど、 ここでしか知ることのできない情報をお届けします。
監修
CREATIVE VILLAGE編集部
データサイエンティスト・アナリスト専門転職エージェントサービス

【無料】転職エージェント

データサイエンティスト・データアナリスト・データエンジニアなどに特化した求人情報を多数取り扱っています。
高い専門性を持つ専任の転職エージェントが、貴方のお悩み・課題を解決しマッチング率の高い転職支援をします。
ご登録・詳細はこちら
より豊かなクリエイター人生を!
様々な知見・発見を得てください。
CREATIVE VILLAGEは、

クリエイターの生涯価値向上のため、
有益な各種コンテンツを発信しています。
BACK TO TOP クリエイター求人を探す