世間が抱くイメージの良し悪しが、会社の業績を左右することもあります。
社会がどんどん複雑化している今、会社の「イメージを守る」広報の仕事はとても重要です。
この記事では広報を目指す人のために、仕事内容や年収、求められるスキルについてご紹介します。

広報とは何か

広報とは何か
広報とは、一般の社会に対して情報を発信することを指します。
「PR」とも表現されるので、聞きなじみがあるのでイメージがしやすいのではないでしょうか。
PRとはPublic Relations(パブリック・リレーションズ)の略称で、まさに一般(Public)と関係(Relations)を築く仕事です。

どんな会社なのか、これから何を目指していくのか、世間に対してイメージ付けをする企業のブランディングとも言えるでしょう。

広報の仕事内容

広報の仕事は大きく分けると社内広報社外広報があります。

社内広報と社外広報

社内広報の仕事内容

社内広報としてイメージしやすいのが社内報の作成業務です。

会社の取り組みを社内に発信するだけでなく、新しく入社した社員の紹介や各部署の成功事例を掲載するなど、社員同士のコミュニケーションを促進する目的もあります。

一般的には社員数が数百人を超える中~大企業で社内報が作られます。
社員数が多いと同じ会社内でも顔を合わす機会が少ないこともあるため、社内報が社員同士の顔合わせの役割を担っています。
逆に小人数の企業では、社員同士が顔見知りのため社内報を作成することは少ないようです。

社外広報の仕事内容

社外広報として代表的な仕事にはPRIRがあります。
PRは先ほどお伝えしたように、一般の社会に対して情報を発信することを指します。

IRとはInvestor Relations(インベスター・リレーションズ)の略称で、投資家に向けた経営状態の報告活動です。
企業にとって投資家は、事業に賛同し資金を提供してくれる大切な存在です。新しい商品開発や新事業発足など、会社の発展時の財政を握る鍵とも言えます。

会社側は投資家たちにIR活動を通じて経営状態をつぶさに報告し、安心と信頼を与えなければなりません。投資家にとって会社の経営状態を把握することは、自分の投資が成功するかどうかの判断材料になるからです。

IRは情報を誇張せずに正しく伝えなくてはなりません。
数字に強くないと難しく、ミスがないかを複数人で何度も確認するなど地道な作業が必要です。

IRは広報が担当することもあれば、財務部署が担う場合もあります。広報としてどの業務範囲までを担当するかは、企業の採用情報をしっかりと確認しましょう。

広報の求人一例

広報の求人一覧

年収

dodaがまとめた職種別の平均年収ランキングでは、広報の平均年収は472万円です。

平均年収ランキング 最新版(166職種の平均年収/生涯賃金) |転職ならdoda(デューダ)
https://doda.jp/guide/heikin/syokusyu/

クリエイティブ業界のお仕事情報サイトCREATIVE JOBでも、年収レンジは同様の傾向です。
最低年収は400万円台からスタートし、最高で600万円台のケースが多く見受けられます。

場合によっては最高年収が1,000万円近い求人も存在しますが、投資家に向けた経営状態の報告活動である「IR」まで担うことで高い年収を実現しています。
参考:広報・宣伝の求人情報一覧

業務で使うソフト

Excel、Word、PowerPointが基本です。
資料作成や文章作成が多い仕事のため、Office系ソフトを扱えることが必須と言えるでしょう。

また、プレスリリースなどの社外資料は文章だけではさっと流し読みされてしまい、なかなか目に留まりません。写真や画像を適切に資料に掲載するため、PowerPointを使って画像を編集できるスキルや、フォトショップを扱えることはプラス要素になります。

記者会見や新作発表会の様子など、今後は動画を使ったプレスリリース配信も増える可能性があります。動画編集スキルが広報として有利になるかもしれません。

広報の仕事に役立つマル秘アイテム

広報は人と人とのつながりがとても大事な仕事です。
始めたばかりのころは媒体担当者と関わりがなく、どこに載せてもらえばいいのかわからない、なんてことも多いです。

そんなときに役立つのが「マスコミ電話帳」
株式会社宣伝会議が発行している、企業・団体・施設までマスコミ関連の連絡先を幅広くまとめた連絡帳です。

マスコミ連絡帳を使えば、情報発信のための連絡先が見つかるかもしれません。

■マスコミ電話帳2018年版 | 宣伝会議オンライン
https://www.sendenkaigi.com/books/nenkan/13244

広報になるには?

広報職の一番重要な仕事は会社の情報を正しく社外に発信することです。

小さい企業ではコストに見合わないと考え、広報を置かないこともあります。その場合、会社の情報が発信しにくいので、PR力に欠ける・ブランド力の育成がおろそかになるなどのデメリットがあります。

ここからは、広報になるために必要な資格、広報に向いてる人をご紹介します。

広報に必要な資格

広報になるために必須の資格はありませんが、有利になり得る資格として「PRプランナー資格認定制度」があります。

PRプランナー資格認定制度
PR関連会社や企業の広報部門でPRを担当されている方々はもちろんのこと、将来PR関連業界や広報・PR部門での業務を希望する方々やビジネスパーソンに求められる広報・PRに関する知識・スキルを持ちたいと考えている方々など、幅広い層の方々に受験いただき、個々の能力判定だけでなく、PR知識やスキルの向上に活かしていただきたいと考えております。
参照:PRプランナー資格認定制度について(http://pr-shikaku.prsj.or.jp/

日本パブリックリレーションズが実施する、広報・PR部門での業務に携わる人向けの能力判定資格です。記述式の筆記がメインで、最後に面接があります。

広報に向いている人

広報は柔軟な対応が必要な仕事です。刻一刻と変化する世の中の動きに対して、適切に情報を発信することが求められるため、ルーチンワークを希望する人にはあまり向いていません。
自分の興味がある物事以外にも、気になったら調べる・見てみる・やってみるなど好奇心旺盛な人が向いています。

また、社外問わず多くのコミュニケーションが発生するので、明るく人と関わることが好きな方にとってはおもしろさを感じられる仕事です。

広報の仕事、ここが大変

会社のオフィシャルな情報を発信するため、個人が独断で進めることはできません。上司はもちろんのこと、ときには経営者が内容の確認をすることもあるため、修正作業はつきものです。
文章だけでなく画像資料にも赤が入ることは日常茶飯事のため、現場の調整と確認の手間は大変だと感じることが多いようです。

身につくスキル

広報職は世の中の情勢を把握しておかなければいけないため、必然的に情報収集能力が高まります。社内外分け隔てなくコミュニケーションが必要なため、人と人とのつながりが生まれるでしょう。
社内報やプレスリリースの作成業務を通して、資料の作成スキル向上も期待できます。

広報は新卒でもなれるか

新卒でも広報の仕事に就くこともできますが、規模の小さな会社では総務職などが兼務していることもあるため、大きく宣伝部門などとして採用されるケースが多いようです。

また、広報担当が一人しかいない企業も多いので、積極的な新卒採用をしていることは少ないでしょう。
会社のことを知らないと務まらないため、最初はアシスタントからスタートするケースも多いです。

まとめ

広報の仕事や必要なスキルについておわかりいただけたでしょうか?
広報は社会に対して企業のイメージを正しく発信することで、企業のブランディングにもつながる大事な仕事です。

仕事を通して情報収集・情報処理能力アップが期待でき、人と人との幅広い人脈も生まれる職業です。
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