「オリジナルのゲームを作りたい」という夢を持つ方は多いです。そんな方の多くが、「Unity」という言葉を聞いたことがあると思います。
Unityは、とても多くのゲーム開発者が利用しているゲームエンジンです。これからゲーム開発を学ぶのであれば、Unityは必ず知っておく必要があります。しかし、ゲーム開発の経験がない方だと、そもそも「ゲームエンジン」という言葉自体をご存じないのではないでしょうか。
そこで本記事ではゲーム開発初心者の方に向けて、Unityの基礎知識や学習方法について一通りお伝えします。
Unityとは
Unityとは、Unity Technologies社が提供しているゲームエンジンです。ゲームエンジンとしては世界トップシェアを誇っており、100万人以上のゲーム開発者が利用しています。「ポケモンGO」やスマホアプリ版「ドラゴンクエスト8」などの有名なゲームは、Unityを用いて開発されたものです。
ゲーム機を使う「コンシューマーゲーム」や、VRゴーグルを使う「VRゲーム」など、Unityで開発できるゲームの種類は多岐にわたります。2Dゲームはもちろん、高度なグラフィックが求められる3Dゲームの開発も可能です。
ゲームエンジンとは
ゲームエンジンとは、ゲームで必要となる処理の実装に役立つプログラムをまとめたものです。ゲームエンジンを用いれば、プログラマーが1からソースコードを書かずとも、映像や音響などの高度な処理を実現できます。
ソースコードの記述量を減らせることはもちろん、プログラマーの人的ミスを防止できるため、バグの発生を最小限にとどめるなどゲーム開発の大幅な効率アップにつながります。現在のゲーム開発では、Unityを始めとしたゲームエンジンを用いることが一般的です。
Unityの料金プラン
Unityの料金プランは下表の通り、5種類あります。なお表中で使われる「シート」とは、Unityの利用ライセンスのようなものです。基本的に、1シートが1ユーザーに適用されます。
2021年12月現在では、1シートを保有する1ユーザーは、「2台」までのパソコンにUnityをインストールして利用できます。つまり、WindowsパソコンとMacパソコンのそれぞれにインストールして使うことも可能です。
Student | Personal | Plus | Pro | Enterprise | |
---|---|---|---|---|---|
料金 | 無料 | 無料 | (月額払い) 4,840円/月 (一括払い) 48,395円/年 ※いずれも1年契約・1シートあたりの料金 |
(月額払い) 18,150円/月 (一括払い) 217,800円/年 ※いずれも1年契約・1シートあたりの料金 |
484,000円/月~ ※20シートあたりの料金。利用シート数により変動 |
利用資格 | 16歳以上の学生 ※個人情報の収集・取り扱いに同意が必要 |
過去12か月の収益・調達資金が 10万米ドル未満 | 過去12か月の収益・調達資金が 20万米ドル未満 | なし | 20シート以上の利用 |
主な機能 | ・開発のコア機能 ・ノーコード開発 ・ユーザー情報分析 |
・開発のコア機能 ・ノーコード開発 ・ユーザー情報分析 ・各種ツールとの連携(1つのみ選択) |
・開発のコア機能 ・ノーコード開発 ・ユーザー情報分析 ・スプラッシュ画面のカスタマイズ ・各種ツールとの連携 ・エラー収集・解析 |
・開発のコア機能 ・ノーコード開発 ・ユーザー情報分析 ・スプラッシュ画面のカスタマイズ ・各種ツールとの連携 ・エラー収集・解析 ・コンシューマーゲーム開発 |
・開発のコア機能 ・ノーコード開発 ・ユーザー情報分析 ・スプラッシュ画面のカスタマイズ ・各種ツールとの連携 ・エラー収集・解析 ・コンシューマーゲーム開発 |
学生向けの「Student」、簡易的な個人開発向けの「Personal」は、基本的に無料で利用可能です。ただし、ゲーム起動時のスプラッシュ画面ではUnityのロゴが表示されてしまいます。ロゴをカスタマイズするには有料プランの申し込みが必要ですが、無料プランでも基本的な機能は十分使えます。
ゲームの販売も見据えて個人開発を行う場合は、「Plus」または「Pro」を申し込みましょう。コンシューマーゲーム(据え置きゲーム)を企業で開発する場合は、「Pro」または「Enterprise」の申し込みが必要です。20人以上でUnityを利用する大規模な開発チームでは、Enterpriseを申し込む必要があります。
Unityの特徴
Unityには、他のゲームエンジンでは珍しい多くの特徴があります。具体的には、下記の3つが挙げられます。
- ・コーディングレス開発
- ・物理エンジン
- ・開発用プラットフォーム
1つずつ、順番に解説します。
コーディングレス開発
Unityでは、「C#」と呼ばれるプログラミング言語を用いてプログラムを作成することも可能です。しかし、「Bolt」と呼ばれる拡張機能をインストールすれば、ソースコードを書かずともゲームを開発できます。
あらかじめ実装されたプログラムの部品を、専用のGUIで組み合わせながらゲームを作っていくイメージです。コーディングの負担を大幅に削減でき、効率的な開発が可能となります。また、高度なプログラミングスキルが求められないため、プログラミング初心者でもゲームを開発しやすい魅力があります。
物理エンジン
Unityには、「物理エンジン」が標準搭載されています。物理エンジンとは、重力や速度といった物理法則にしたがった処理を実現できる仕組みです。物理エンジンを用いることで、より完成度の高いゲームを開発できます。
たとえば、ボールが落下する動きをゲームで再現する際に、プログラマーが正確なソースコードを作成するのは難しいでしょう。その点、物理エンジンを用いれば落下速度などが自動で算出されるため、コーディングなしでリアリティのある落下を再現できるのです。
開発用プラットフォーム
通常のゲームエンジンは、あくまで開発の補助的なプログラムを指します。一方でUnityは、ゲームエンジンであると同時に、開発用プラットフォームとしての役割も持つのが大きな特徴です。ゲームエンジンと開発用プラットフォームが一体となっているため、導入やアップデートに手間がかからないメリットがあります。
C#を用いて開発する場合でも、ソースコード記述やプログラムの実行、デバッグ、ファイル管理といった必要な機能がUnityだけで実現できます。前述の通りコーディングレス開発も行えますが、C#を用いることでプログラムの細かいカスタマイズが可能です。
Unityでできること
これまでにもUnityでできることについてある程度解説しましたが、改めて整理しましょう。ポイントは、下記の3点です。
- ・様々なプラットフォームにおけるゲーム開発
- ・2D、3Dのどちらにも対応している
- ・ゲーム以外のアプリ開発にも使える
それぞれ、順番に解説します。
様々なプラットフォームにおけるゲーム開発
Unityを用いることで、様々な種類のゲームを開発できます。主なものは、下記の5つです。
- ・コンシューマーゲーム(Wii U/PlayStation4など)
- ・VR/ARゲーム
- ・パソコンゲーム(Windows/macOS)
- ・スマホゲーム(iOS/Android)
- ・ブラウザゲーム(Google Chromeなど)
Windows・macOSといったコンピューターOSに対応したパソコンゲーム、iOS・AndroidといったスマートフォンOSに対応したスマホゲームも開発できます。また、Unityでは「WebGL」という設定によって、Webブラウザ上で動作する「ブラウザゲーム」の開発も可能です。
ゲーム機やOS、ブラウザを問わず様々なプラットフォームに対応できるため、多くのゲーム開発会社でもUnityが利用されています。
2D、3Dのどちらにも対応している
Unityは、2Dゲームはもちろん3Dゲームにも対応しているため、幅広いゲーム開発が可能です。Unityのスキルがあれば、1つのゲームに2Dと3Dを組み合わせる応用的な使い方もできます。
前述した通り、リアルな動きを再現できる物理エンジンによって、3Dでも滑らかな動きのゲームを開発できるのです。高度な3D技術が求められるVRゲームなどに対応できるのもポイントといえます。
ゲーム以外のアプリ開発にも使える
Unityはゲームだけにとどまらず、様々なアプリ開発にも使えます。たとえば、VR技術を用いた外科手術のシミュレーター開発に、Unityが使われた事例があります。血管や臓器の動きまでリアルに再現できるため、よりリアルな状況下でのトレーニングが可能となるのです。
他にも、自動車のデザインや宇宙開発にUnityが使われるケースもあります。Unityが持つ高度な3D技術は幅広い分野で注目されており、今後も活用シーンは増えていくでしょう。
Unityの学習方法
ゲーム開発で非常によく使われるUnityは需要が高く、様々な学習教材が存在します。現在では、Unityの入門書が多数出版されています。書籍だと、1冊でUnityの知識を幅広く学ぶことが可能です。また、Unityを扱っている学習サイトも数多く存在します。学習サイトだと、パソコン1つで学習を始められる手軽さが魅力です。
学習教材の質が高まっていることもあり、独学でUnityを学ぶ方も多くいます。しかし、独学では分からないことがあっても、誰かに質問できません。また周りに学習仲間がいないため、モチベーションが低下しやすいのも難点です。
実際には、Unityの独学で挫折してしまう方も少なくありません。Unityを使ったゲーム開発を挫折せずに学ぶなら、スクールの利用も考えましょう。
Unityを学びたいならGame Engineer Academy
ゲーム開発を学べるスクールなら、プロの講師に質問できるため、挫折のリスクはぐっと下がります。しかしスクールに通うとなると、かなりのコストを覚悟しなければなりません。
コストをかけず、かつ挫折せずに学べるスクールをお探しの方には「Game Engineer Academy」をおすすめします。Game Engineer Academyは、完全無料でUnityを始めとしたゲーム開発のノウハウを学べるスクールです。
完全オンラインで、数か月の徹底した学習によりプロのゲームエンジニアになる夢を叶えられます。確かなスキルを無料で習得したい方は、ぜひGame Engineer Academyをご利用ください。
まとめ
今回はゲーム開発初心者の方に向けて、Unityの基礎知識や学習方法について一通りお伝えしました。Unityとは、幅広いゲームを開発できるトップシェアのゲームエンジンです。2D・3D問わず高品質なゲームを開発できるだけでなく、現在では医療現場などでの利用も増えています。多くのゲーム開発会社がUnityを用いているため、ゲームを開発するならぜひ習得すべきです。
とはいえ、非常に豊富な機能が存在するUnityを使いこなすためには、多くの学習時間が必要です。独学だと壁にぶつかって挫折してしまうことも多いので、完全無料で学べるGame Engineer Academyの利用も考えましょう。
Unityを実際にインストールしたい方は、こちらの記事もご覧ください。